「おれら、ずーっと、いっしょだからな!」
「あたりまえだろ」
小さい頃から常一緒に居た俺たちはそんなことをよく言い合っていた。周りからは「坂田くんと土方くん、本当に仲いいね」だなんて言われてたけど仲良いだなんてもんじゃない、俺たちは心の底から繋がってると本気で思っていた。他の男女なんて要らない、コイツだけ居たら俺は生きていける。そう思っていた
少なくとも俺は、な。
「…今、何て言った」
「…彼女出来た」
いきなりの報告。
本当は喜んでやるべきなのだろう。しかし俺の口からは「うそ、」と言う何故か否定的な言葉が出てきた
「嘘じゃない」とすぐに小声で返答がきたが。
その時コイツは俺に背中を向けていた
気付いたころには既に一緒で、学校でもどこでも俺たちはセットで、こんなに俺はコイツのこと好きなのに、そういう風に考えてたのは俺だけだったのかな
今まで言いたいことはハッキリお互いの目を見てたのに今はそれもない
俺は悶々とした頭と心を落ち着かせることは出来なかった
「…そう言うことだから、」
「え、ちょっ!」
突然歩きだしたアイツは振り返って、最後に俺にこう言ったんだ
「お前もそろそろ俺ばっかじゃなくて…いい女、見つけろよバーカ」
その時アイツの両目が真っ赤に腫れていたのは気のせいではないようだ
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