大部屋。(中編)
3
そのまま和紗を床に押し倒すと、浅黒い肌の端整な顔に近づきキスを落とす。
息継ぎと同時に舌を差し入れ、慣れない上からの姿勢で舌を絡めていると、いつの間にか、主導権は和紗に移っていた。
巧みな舌に翻弄されて恍惚としている間に、隙間から唾液が零れる。
「ん…ふ……」
腕の力が抜ける前に顔を上げ、和紗の雄に手を伸ばす。
「…今日、は…俺がするから。」
荒いままの息で言うと、和紗は、少し心配そうに微笑んで答えた。
「あぁ。」
和紗にベットに座ってもらい、ジーパンのをチャックを下ろし、前を寛げる。
腰パンでいつも見えちゃってるトランクスを下げれば、やや勃ち始めているソレ。
了承を得るように顔を上げると視線がぶつかり、和紗にずっと見られていたことがわかった。
恥ずかしさに熱くなる顔を隠すようにして、性急に口に含む。
こうやって和紗のものを口に入れた回数は、そんなに多くない。
少ない経験で学んだように、規則正しく丁寧に舐めていると確実に成長していく。
「かずさ…きもちぃ?」
口を休め、ずっと、頬や頭を撫でてくれている和紗を見上げると、手の中の雄がぐっと体積を増す。
「うん。気持ち良いよ…有理…」
再開しようとして口付けると、優しく止められた。
「口に出しちゃうと困るから…有理、苦手だろ?」
「でも…今日は、俺がするって決めたから…」
我儘っぽい反論をしても、ありがとう、と優しく頭を撫でられる。
「でも、俺としては…下のお口にいっぱいあげたい。」
低く囁かれて、トクン、と心臓が跳ねる。
このまま流されて、和紗に任せてしまいたくなって、困る。
「っ、わかった…でも、和紗は何もしなくていいからな…」
自分に言い聞かせるようにはっきり言うと、和紗は、にっこりと頷いてくれた。
だんだん、いつもの和紗に戻ってきた…のかな…
慣らす為のローションを探していると、和紗が持ってきて、手に出してくれた。
和紗がベットに腰掛け、俺も、向かい合うようにしてベットに膝を付く。
後孔を探る手が、緊張で震えていた。
「平気?」
「へ…いき……んぅっ…」
指をほんの少し押し込めただけで、スキンシップが減っていたせいで欲求不満な身体は悦んでしまう。
「ん…ふっ…」
倒れそうになる俺を、さりげなく和紗が支えてくれた。
そのまま凭れながら指を進めていると、ちょうど、和紗の耳元で喘ぐような形になってしまう。
和紗は、俺の声だけでイけたりすんのかな?
ふと、そう思った。
思ったら、試したい。
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