大部屋。(中編)
4
「こっち向〜いて?」
和紗は、愛撫を中断して、ぷにぷにと頬を突付く。
「やだ…」
「有理の顔、見たいんだけど。」
「何で?」
スねたように言うが、有理の表情は照れているのが丸分かりな状態だった。
「可愛いからだよ。」
愛おしそうに答えれば、有理は視線を合わす。
そして、反論でもなさそうに、口の中でもごもごと呟いた。
「……………だょ…」
「うん?」
「俺だって、和紗のキレーな顔…見たい…」
あぁ、可愛い。
優しい気持ちが、和紗の心を瞬時に埋める。
と同時に有理は、恋人の顔をきちんと見つめ、その頬に手を伸ばす。
「続き…して?」
「いいよ。」
優しく答えながら下腹部に手を伸ばすと、有理の小振りなそれは、既に蜜を垂らしていた。
「今日は、中も舐めて慣らすようだな…」
和紗が低音で呟くだけで、有理の思考は解ける様に蕩けてしまう。
「ん…」
言葉に、暗に込められた意味を汲み取って、華奢な体躯が四つん這いになる。
そして、和紗は秘められた蕾に舌を宛がった。
ちゅぷり…
たっぷりの唾液を絡ませた舌は、卑猥な音を立てて有理に進入する。
「っん…」
有理は、上半身が毛布から抜ける格好で、快感に震える腕によって体を支えている。
その体勢は、妙に有理の羞恥心を刺激するのだった。
「ひっ…や、ん…」
「すげ…ヒクついてる…」
力なく横に首を振ると、涙の雫が落ちた。
くすん、と鼻をすする音に、和紗は愛撫を止める。
「有理…辛い?」
「んーん…て、いうか…早く…欲しぃ…っ」
予想外の煽りに理性が外れかけるものの、耐えながら尋ねる。
「じゃ、いい?」
「いい…」
和紗は、しっかりと有理の体を抱き締めながら腰を進める。
「あ…っ…んぅ…」
甘えた声が際限なく煽るせいで、和紗は強い律動をしてしまう。
それにつられて、有理の胎内もキツくなった。
「和紗っ…一緒に…っんん…」
「うん。…そろそろ、かな…」
前も刺激してあげると、有理は、一層甘い喘ぎで限界を訴える。
そのまま、二人は同時に絶頂を迎えた。
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