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大部屋。(中編)



最後まで、二人の手は固く結ばれていた。
息と服装をひとしきり整えると、疲労感に任せて、変に皺の寄ってしまった絨毯の上に一緒に転がる。

有理は、空いている手で和紗の髪を撫でる。
気持ち良さ気に目を細めてくれるのが、とても愛おしく感じられた。

「和紗…」

有理が、眠たそうな声で呼ぶ。

「なに?」

「ありがと。」

「…どーいたしまして?」

「俺、和紗のこと…好きだからな…」

恥ずかしそうに目を伏せると、長い睫毛が揺れた。

「わかってるよ。」

「あと、和紗はバカじゃない…」

「だろ?やっとわかった?」

「……大ばかだ…」

クスクスと笑って、和紗を見る細い瞳が輝く。

「酷…ま、いいけど。何で大馬鹿?」

「だって、」

はにかんだような笑みを零して、躊躇い混じりに囁く。

「あんなに…俺のこと好きなんて…」





◇ひとだんらく◇





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あきゅろす。
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