大部屋。(中編) 2 「ズボン、下ろして。」 「ぅん…」 躊躇いながら、ジャージー生地のズボンと下着を引き下ろす。 こんな行為は、健全な男子高校生には日常的なはずなのに、和紗に聞かれていると思うと異様に恥ずかしくなる。 空いている右手を伸ばし、そっと擦る。 「……っん…」 普段なら、全然余裕、というレベルの愛撫に、体中が震えた。 「聞かせて…有理の…エッチな声」 和紗の吐息交じりの囁きが、電話越しに響く。 心なしか、いつもより卑猥な感じだ。 「ゃ…恥ず…かしっ…」 言葉を裏切るように、慣れた身体は輪を作った指で自身を何度も扱き上げる。 「俺にされてると思って。」 「んっ…ぅ、ん…っ…はぁっ……」 有理は、落ちそうになる電話を握りなおしながら、次第に行為に夢中になっていく。 「っはぁ…っ…っひ…ぁ」 「よく聞こえるよ…」 そう言う和紗の息も少し上がっていて、更に気分が高まる。 「なっ…ぁ…あ…ふぁあっ…」 「先、感じるの?」 「なんでっ…わか、んのっ…!」 「何となく。今、すっごくイイ声出したから」 和紗はクス、と笑った。 …ような気がする。 きっと、和紗もこういう風にわかったんだ。 音だけでもわかる。 正確には、音よりも不確かな何か。 「言葉責め、好きだろ?…ほら…もっと指使って。」 言われた通りに、指先で先端をぐりゅぐりゅと刺激する。 「っっん…ぅ…ぅや……んゃっ…!」 「いー感じ…もっと…強く」 言われなくても、いやらしい指は自分では止められず、せっかちに先走りを塗りたくっている。 ★前へ次へ☆ [戻る] |