〜hot chocolate〜
4
「そんなに良かったのかと思って」
ニコニコと笑みを浮かべ言う。
「コレは、是非、ボクも試してみたいなぁ〜と思ってね」
「は?」
「だからね、ボクのもシャブってみてくれる?」
「…な…?!」
「あれ?聞こえなかった?ボクのも…」
「か、帰りますっ!」
立ち上がりかけた、いや、立ったと思う。
が、フワリと身体が浮き上がったかと思うと、次の瞬間、背中から畳に叩きつけられていた。膝裏に刈るように足をかけられ、掴まれた胸元を下に引くように、押し倒された、らしい。受け身などとれるはずもなく、背中を強かに打ちつけた。一瞬、息が詰まる。
起き上がろうとするが、腰辺りに乗られ、胸元を左腕で押さえつけられ、敵わない。
「ぐ…ぇっ」
ヒュッ…と、拳が飛んでくるのが見え、目を瞑り、思わず顔を逸らす。来ると思った衝撃は来ず、代わりに風圧を感じた。
恐る恐る目を開ける。
拳は顎に当たる寸前でピタリと止まっていた。
笑みを崩さない相田に、コツンと顎に拳を当てられた。
「江井くんは、痛いの好き?」
笑顔のまま尋ねられる。
すっ…と、青ざめていくのがわかる。
肝心な事を忘れてた。
あの、堂本のツレだという事を―――。
見誤った…。
子犬だなんて…。“子犬の皮も被れる”狼じゃないか…。
「…好き、じゃ…ないです」
相田の、満面の笑みが怖い。
「だったら、ボクのお願い聞いてくれるよね」
何だって、こんな目に…。
胡座を崩したように、座った相田の前に、踞り、股間に手を伸ばした。
見上げると、相田が期待に満ちた目でこちらを見ている。
相手が、相田だという事を忘れて、のこのこ付いてきた迂闊さが招いた結果が、コレ…。
ジッパーを下げ、取り出す。
―――う…。
堂本といい、相田といい、自分のモノの、貧相さをまざまざと感じさせられる。自分とは勿論だが、堂本とも違う。そう、思った。
急かすように、後頭部に相田の手が伸びてきた。
先端に口を付けた。後頭部を押さえられ、ぐっと押し込まれた。
「んぐっ…」
相田の内腿に手を添えて、喉の奥まで突き刺さりそうになるのを拒む。と、それ以上押し込まれる事もなく、後頭部にあった相田の手は離れていった。
「う…ぐ…」
口に咥える、その、臭いにも、味にも、感触にも、慣れる事が出来ない。
どうしたら良いのかも、わからない。ただ、含んだきり…。湧いてくる唾液。それを飲み込もうとしても、上手くいかない。
早く終わらせたい、その一心で、何とかしようとするが、扱いきれない。
それでも、グニャリとしていたモノが少しずつ、芯を持ち、口内で存在が大きくなっていく。
「…成程、コレか〜」
そう、呟く声がしてポンポンと肩を叩かれた。
「もう、良いよ」
「ぷはっ…」
頭を引いて抜き取ると、筋を立て、勃ちあがったペニスが、ぶるんと反り返った。
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