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HAPPY☆NOVEL
「私と言う名の僕」NO,1
「僕は女なんかじゃない。男なんだ。」
「ちがうわ。あなたは女よ。目を覚まして女らしくしなさい」

「うるさい!僕に近寄るな!お前なんかどっか行け!」

「行かないわ。あなたは私。つまりあなたは、女の子なのよ」
「ちがう。男だ!」

「いいえ、女」
「うるさーい!」

「もっと現実を受けとめなさい」

「うわぁぁぁ!」

(ハッ)と目が覚めた。またあの夢か。そう思いながら体を起こした。

「竜?起きたの?学校遅刻するから早く行きなさい。」

「分かったよ。母さん。」

「違うでしょ、竜。男の子じゃないんだから母さんはやめなさい」
「違うよ。僕は男の子だよ。」

「はあ。またそれ?もういいわ、早く行きなさい」と、

言われ、僕は黙って家を出た。どうしてみんな分かってくれないのだろう。僕は体は女だけど心は男なのに。誰かに分かってほしいよと、母さんに家を追い出される度に、そう思う。けど、唯一僕を、男として見てくれる人がいる。それは、親友でもあり、幼なじみでもある、愛実だった。愛実だけけが僕を女じゃなくて、男としてみてくれている。

「おはよう。竜。」

「おはよう。愛実。」
いつものように、あいさつをする。とその時、

「おぉい。ここにおんなおとこがいるぞ!」
といじめっ子のひとりがあとの4人に呼びかけた。

「えーどこどこ?」

とおちょくるように僕の顔をみてきた。それを見ていた愛実が僕のかわりに言ってくれた。

「ちょっとやめなさいよ!」

「お〜と愛実お姉さんが出てきたぞぉ。気おつけろ!こいつらと居たら、俺らまでおかしくなっちまうよ。にっげろォ。」

と愛実にまでいってきた。

「おい!愛実には関係ねェだろ!」

「はぁ?お前やる気かよ!」

「別にやる気ではないけど、愛実には関係ないんだからいじめるなよ!」

「ふぅん。そんなにやられたいのか。じゃやらせていただきます。」

といって僕の顔を一発(パーン) とたたいた。僕も負けずに殴り返した。

「このやろォ!」

と言って、いじめっ子の一人が僕を突き飛ばしてきた。僕も愛実の前で、負けたくなかったから、僕も相手を突き飛ばした。それから僕とその男はずっと殴りあった。自分達がボロボロになりながら殴りあった。とその時、(ガラ。)と先生が入ってきた。

「おい!何をやってるんだ!やめんか!」

と言ってきただけで、そのいじめっ子は僕と殴り合うのをやめた。それから、黙って席に座った。

「一体、何があったんだ!」

「竜が…、俺が愛実にちょっとおちょくっただけなのに、愛実は関係ないだろ!とかいって、いきなり俺に殴りかかってきたんです。」

といかにも僕が悪いみたいに言ってきた。やめろ!全部僕が悪いわけじゃないんだ。何でお前は全部僕が悪いみたいに言うんだ!その時僕は(ハッ)とした。そうか、お前は僕が悪いみたいに言って、自分だけ責任逃れしようとしてるんだな?ふざけんな!そんなの許さない。

「でっでも先生。僕はただ愛実のことを守ろうとしてただけなんです。なのに、いきなりそっちから殴ってきたんです!」

「まあいい。とにかく校長室に来なさい!」
と先生は僕だけを、校長室に無理矢理連れていった。

「さて。何でこんなことになってしまったんだね。…てぇー!?君は女の子ではないか!女の子は女の子らしくしなさい!」
と校長はいってきた。
「僕は女じゃない、男です。それに、女は女らしくしなさいってなんですか!?」

「きっ君ぃ!私に口答えをする気ですか!けしからん!」

あーそーだよ。する気だよ!それがどうした!って言ってやりたかったけど、言ったらたぶん退学だ。とわかっていたから、言うのはやめた。

「そうじゃないですけど、ただ僕はそうやって人から白黒決めつけられたくないだけです。それに、グレーがあってもいいと思います!」

「なぬー!グレーという性別はないのだ!産まれたときから白か黒しかないのだ!したがって君は白で、白は黒になれるわけないだろ!?」
「じゃあ僕が黒になってやる!」

「だからなれるわけないだろ!それに、ちゃんと、スカートをはかないか!」
「いやです。」
「もういい!早くでて行きなさい!」

といってきた。僕は黙って校長室をでた。その時僕は思った。何でみんなは君は女なんだから、女らしくしなさい。って言うんだろう。僕は女なんかじゃない、男なのに。
「大丈夫?竜」
「大丈夫。でもまた校長に言われたよ」

「何て?」

「君は女なんだから、女らしくしなさいって」
と僕は言った。そしたら愛実は難しい顔になった。そしていきなり、教室を出ていった。一体何処にいったんだろう。なんかとんでもなくやな予感がよ切った…。愛実が教室をでていってから、10分ぐらいたった。何処にいったんだろう。

「おい。竜、愛実が何処に行ったか分かるか。」

「わからない。」

「バッカだなぁ、校長室にいったんだよ!お前のために文句を言いにな。もしそれで、学校退学にでもなったら、お前のせいだぞ。俺愛実のこと好きだったのに…。どうしてくれるんだよ!お前、愛実に何言ったんだよ!」
と野山は悲しそうにそう言った。でも、なんで僕のためにそこまでするんだ。

(キーンコーンカーンコーン)3年2組滝田竜君、滝田竜君。至急校長室まで来てください。

と僕は呼び出しをくらった。…もしかして、愛実と関係があるんじゃ…。そう思った僕は走って校長室に向かった。

「おっ!やっと来たかね。早くこの娘を止めんか!」

と指を指したさきには愛実が居た。

「なによ!なんでアンタなんかに女は女らしくしなさいって言われなきゃいけないわけ?だったら、あたしも女らしくなんてしてないわよ!」

「おい!やめろ!愛実とりあえず落ち着くんだ!僕は大丈夫だから!」

とそういって、愛実をそっと抱き寄せた。愛実は顔を真っ赤にしながら、

「わっわかたから!」
といった。

「落ち着いたみたいだね。じゃあ、愛実さん早く校長先生に誤りなさい。」

「ごめんなさい。」

って愛実が誤ったのに、

「こんなことは許さぁーん!だいたい、滝田くんがいけないのだ!君が私の言ったことを愛実さんにいったりするからぁ!」

といきなり僕に向かってぶちギレた。

「もういい。話にならん!今日は2人とも家に帰りなさい!」

と校長室を追い出された。

「さぁ、帰ろうか。愛実。」

「うん。」

「これから、僕んちこない?」

「えっ、なんで?」

「今日、今から帰っても誰もいないんだ。だから、なんか淋しくて…。な?良いだろ?」
「しょうがないわね。行ってあげる。」

「サンキュー。」

と言ったあと、僕は愛実の手を握って歩こうとした。

「何?」

と愛実は顔を真っ赤にしながらそう言った。
「別に!僕はただ愛実と手をつないで歩きたいって思っただけだよ。」

「やめてよ!そんなことしたらあたしだって竜を男としてみるよ」

「えっ!じゃあ、今まで男としてみてなかったんだ。信じてたのに…」

「違うよ!竜をこれ以上好きになりたくないから。」

愛実のその一言で2人は何も話すことが出来なくなった。

「さぁ入って。」

「うん。おじゃまします。あたし、竜の部屋に入るの初めて!」

と笑顔になる、愛実が可愛くて可愛くてたまらなかった。あっ!だめだだめだ。まだ愛実の事好きになったら。僕が高校生になって、ちゃんとした男になるまで好きになっちゃいけないんだ。今、愛実に思いを伝えたら、なにもかも駄目になる。きっと、愛実を幸せに出来ない…。できるわけがない。

「ねぇ、聞いてるの?」

「えっ。ごめん聞いてなかった。何?」

「だから、竜ってお兄さんとか居るの?」

「うん居るよ。一番上で22歳の竜紀にぃでしょ。あとは、生きていれば18歳の竜太お兄ちゃん。あと、義理の姉で19歳の愛ねぇちゃんだよ。」

「えっ!竜太さんって死んじゃったの?」
「うん。病気で。そうだおもしろい話教えてあげようか?」

「あのな、竜紀にぃと愛ねぇちゃんさ、実は駆け落ち同然で家出したんだよ。」

「すごぉ〜い!」

と愛実に僕の回りに起こったことを話した。その度に愛実は笑顔になっていった。

「あっ!そうだ竜太お兄ちゃんが最後に書いた、詞があるから見せてあげる!」

「本当?見たい!」

「じゃあ読むよ。〜僕の体の中には、大きな爆弾を抱えて今を生きている…そしてその爆弾はいつしか、僕の体の中で、風船見たいに割れてしまうんだ…って言う詞なんだ!」


〜なお、さっきの詞は「運命」と言う僕自信が書いた、オリジナルの詞です!〜

「うん!すごく良い詞だね!」

「だろ〜。」

と僕らは笑いながら話していた。そしてふいに、愛実が暗い顔をする…。いきなり愛実がこんなことを、聞いてきた。

「ねぇ…。竜、あたしのことどう想ってる?」

「どうって決まってるじゃん!良い友達だよ。」

「そっか…、そうだよね……。」

と僕の答えを聞いて、「はぁ」と溜め息が漏れた…。ねぇ、愛実。頼むからそんな顔しないで…。僕だって本当はあんなこと言いたくない。でも、言わなくちゃいけないんだ。だって僕は、好きになっちゃいけないんだから。僕はまだ…、男になってないんだから…。
「あっ!もうこんな時間。帰んなきゃ!」

「うん…そうだな。」
そういって、愛実は帰っていった。愛実が帰ったあとすぐに詞を書いてみた。

タイトル「恋って苦しい」
あぁ恋ってこんなに苦しいものだったのか…君に恋をすればするほど胸が痛くて苦しい…君に告白できたらどれほど楽になるだろう…だけど今はそれができない…だって今君に告白をしてKissしてしまったら、君はきっと幸せになれない…君をこんなに求めているのに、何も出来ないもどかしさ…お願いだからもう少し待っていてくれ…必ず僕は男になって、迎えに行くから…〜END〜

(あぁ。何考えてるんだろう。愛実は僕なんか好きじゃない。僕は愛実なんか好きじゃない。)そうやって自分の気持に言い聞かせる事しか出来なかった。そして、目を閉じる。静かに寝るのだった。朝、目を開ける。僕はいつもどうり学校に行った。

「おはよう!」

「…。」

と愛実は何も返事を返さなかった。

「どうしたん?」

僕は愛実の腕をつかんだ。

「いや!何すんのよ!やめてよ話しかけないで!あなたと居ると彼にフラレるでしょ!」

「えっ!なにいってんの?」

「おい!竜、困るなぁ。ちょっかいだしちゃ!彼女がいやがってんだろ!」

「うわぁん。野山くぅん!助けてぇ!」

「愛実、野山っていうのやめろっていってるんだろ」

「あっそうだった。ごめんなさい、昭くん」
2人が話しているのを聞いて、目の前が真っ暗になった。でも、良いチャンスかもしれない。だってこれでもう愛実のことこれ以上好きにならなくて済むんだ…。そうだ、親友として喜んであげなきゃ!「おめでとう」って言ってあげなきゃ!彼女が幸せになれるのだから…。

「そっか。そうなんだ、良かったじゃん。あってことは、呼び方変えないとな。じゃあ、雪坂さんって呼ばしてもらうよ。」

「うん。そうだね、そのほうがいい。」

そう言った後僕らはなにも話さなくなった。これからさきも、僕のことを避けて歩く愛実を見つめる。何日も何日もしゃべらなくなって、僕らはとうとう卒業を向かえた。明日になったら、病院に行って本物の男性になるための手術を受けて、愛実を連れ去りに行こうと考えていた。でも、現実はそんなに甘くはなかった。愛実たちは卒業と同時に結婚してしまうのだ…。

「愛実ぃ〜。おめでとう!」

とみんなは2人の結婚を心から喜んだ。こんなのみたくない!早くしなければ!

「先生早く僕に男性ホルモンを下さい!そして本物の男性にして下さい!」

「親に許可はもらった?」

「はい!」

母さんから許可をもらうのは難しかった。なんども、僕のことを分かってもらおうと話した。そして分かってもらった。母さん、こんな親不孝者を許してね。けど、もう辛いんだ。辛すぎるんだ。ごめんね…。

「分かった。これから一年、治療などで辛くなるかもしれない。それでも頑張れるかい?」

「はい!」

そうして僕の辛い治療が始まった。毎日毎日、治療とカウンセリングが入った。そして、僕が本物の男性になるための手術当日になった。

「頑張れよ!」
「頑張って!」
「うん頑張るよ!ありがとう。竜紀にぃ、愛ねぇ!」

と言ったあと麻酔が聞いてきたのか、僕は深い眠りについた。ここは何処だ。夢の中なのか?目の前が真っ暗だ。僕はふと上をみる。眩しすぎるほどの、明かりが見えた…。僕が手を伸ばしても、手を伸ばしても。届かない…。どうすれば、届くのか?そう考えているうちに、僕の上にあった光は消えてしまった。僕は手術で失敗して死んだのか?

「うっ…。ひっく!」
誰かが泣いてる…。

「誰?」

「あなたよ。私は女性の頃のあなた…。あなたは何で変わってしまったの?三歳の頃は、近所の女の子達と普通におままごとして遊んでいたのに、変わってしまったわ。五歳になった頃からあなたは変わった。いつもいつも、早く高校卒業して大人になりたい。早く男の子になりたい。そう言っていた。そして今、あなたは高校卒業して大人になって、本物の男性になってしまった。私じゃ叶わなかった。それが悔しいの…。でも、もうあなたの夢にもでてきたりしないわ。今までごめんなさいね。さようなら…」

「えっ…。ちょっと!」

僕がなにか言う間もなく女性の僕は消えていった。そして、また誰かの声が聞こえた。

「竜!竜!」

…この声は…竜紀にぃだ!また僕の目の前に、眩しいぐらいの明かりが見えた。今度はここからでなきゃ!そう思った僕は、全速力で走った。

「りゅ、竜紀にぃ…。」

「おっ!やっと起きた。竜喜べ!手術は…」
と竜紀にぃと愛ねぇは声を合わせて言った。
「せ・い・こ・う・」
その言葉を聞いて声も出ないほど喜んだ。そして、自分の体を触る。

「本当だ…。む、胸がない。ちゃんと付いてる。これって、夢じゃないよね?マジだよね?」

「そうだよ。」

「そっかぁ。これでやっと、愛実を連れ去りに行ける!良かったよォ。」

「連れ去りにって…、そんなこと駄目よ。やっと自分の体を手に入れたのに、何でわざわざそんなことするの?愛実ちゃんみたいな女の子だったらいっぱいいるのに。どうして?」

「許して。僕には愛実しかいないんだ。物心ついた時から好きだったんだ。もう我慢できないんだ…」

「でも!」

「シッ!少し愛黙って。竜。お前自分が言っていること分かってんのか?愛実ちゃんの愛人になるってことだぞ。」

「分かってるよ。」

「そう。じゃあ良いんじゃねぇ?」

「でも!」

「愛、俺たちだって駆け落ち当然だろ?」

「それもそうね…。私たちが言える立場じゃなかっね。」

そう言って2人は帰っていった。それから数日後。僕は無事に退院した。退院した後すぐに、愛実の元へ向かった。今日、家には愛実一人だと聞いたから…。



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