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あなたしか、見えてない


「よし、15分休憩!」

主将である和己が一声。
皆は一斉に休憩時間に入る。

「和さんっ、今日の俺の球どうっすか?」

準太が和己の方に駆けて来た。

「今日の準太は良いと思うよ」

「俺も今日は調子良いなって思ってたんですよね」

「この調子で頑張れよな」

「はいっ!ところで和さん…」

「そうだ、調子と言えば慎吾んとこ行かなきゃ。最近あいつ調子あんま良くなさそうだったからな」

準太が次の話題へ入ろうとした時、和己は慎吾の方へ走って行った。

「えっ?!和さんっ、俺も行きます!」

和己の後を急いで準太はついて行った。

「慎吾、最近調子はどうだ?」

「よう、和己…と準太」

心配している和己の後ろには、早く用件済ませて下さいよ、と言わんばかりの準太の姿。

「慎吾思う様に打てないっつってただろ?」

「まあな。でも今日練習したら調子戻ってたから大丈夫だよ!」

準太の視線が怖すぎる。

そう感じた慎吾は苦笑いしつつ、和己に話した。

「そうか?ならいいけど」

「お、おう!全然大丈夫だから!和己も休憩しろよ」

慎吾さんも良い事言うじゃないですか。というような笑顔で慎吾にアイコンタクトをする準太。

「さっ、和さん休みましょ!」

準太がにこにこと笑いかけると、

「ごめんな、次は利央んとこ行って捕球指導しなきゃなんねぇんだ」

和己は手を合わせて準太に謝り利央の方へ行った。

「えっ?あ、俺も!」

またも和己の後を必死についていく準太。

準太も健気だよなあ…

慎吾は頭を掻きながらその様子を見ていた。

「利央っ、最近どうだー?」

「あっ!和さん、と準さん…」

準太を見て小さく溜め息を漏らす利央。

「何だよ俺がいちゃ駄目なのか」

準太が当たり前の横に言う。

「いや、やっぱりなあって…」

「利央、上手く球捕れてるか?」

「あっ、はい!和さんの教え方が上手いんで!」

「利央は誉め上手だな」

「そんな事ないっすよー…ひっ!」

「どうかしたか?」

「いえっ!何にも!」

利央は笑っている和己の横から、準太の只ならぬオーラを感じ取った。

「今日は何か知りたい事あるか?俺が教えられる範囲なら何でも聞けよ!」

「…今日は俺、1人で考えてやってみます!そういうのも大事でしょ?」

「…まあ、そうだな。頑張れよ!」

「和さんわざわざどもっす。和さんも休憩したらどうです?」

準さんの顔がそう言ってますよ〜

利央は必死に伝えようとする。

「いやいや、タケのとこにも行かなきゃなんねえしな」

「まだっすかー?!」

と声をあげたのは利央ではなく準太だった。

「準太、それが俺の仕事だろ?」

「そうっすけど…」

「だから俺タケんとこ行くな」

「俺も行きますっ!」


桐青高校野球部の休憩時間は、部員の調子を伺う主将と主将についていくエースの姿。

これが、日常茶飯事。





write》衣音様
(*BLUFF)

衣音様宅でフリリクという素敵企画があり食い付いてしまいました!そして戴いた和準小説です(^^)もうもう準太が!!準太が和さん大好きオーラ出しまくりで可愛くてデレデレです。衣音様、この度はありがとうございました!



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