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西浦戦の後


俺はいつもと同じように慎吾さんと歩いていた
暗い暗い帰り道
いつもと違ったのは弾むことのない会話
辺りには重く、しんとした空気が広がっていた


「なぁ…」


重い口を開いたのは慎吾だった


「すいませんでした」


「え?」


慌てて迅がかえすが、彼は何か勘違いをしていた


「俺、足には自信あったのに…最後…」


迅は最後のアウトを自分のせいだと、
夏が終わったと、
この帰り道ずっと悩んでいたようだ


どんどん涙目になっていく
それを隠すためか迅は下を向いてしまった


「迅のせいじゃねぇよ。もっと迅と一緒にいたかったけどな」


それだけじゃ離れねぇし、と続けながら頭を撫でてくれる手が優しくてまた目がうるんだ

「これから会う時間減るけど、勘弁な!」


「いえ…」


貴方の声が、手が、全てが、温かくて優しかった


「迅は俺と会いたくない?」


「会いたい、です」


迅が顔をあげると優しい笑みの慎吾がいた


「やっと顔あげた」


親指の腹でそっと目尻をなぞる


「慎吾さん…」


まだ少し悔やんでいるようだが、迅は綺麗に笑った


慎吾がそれだけで満足できることを迅は知らない




END





write》ゆきる様
(世界の終わりという名の雑貨屋)

ゆきる様から誕生日お祝いに戴いていた作品です!掲載許可を戴いたので浮かれつつ飾らせて頂きました!!もうお祝い下さっただけでも嬉しいのに素敵なサプライズ有難う御座いました(^^)西浦戦後の二人はこういう感じだと思いますよね!慎吾さんが迅たんを擁護した時は自分まで安心してしまいました。ゆきる様、掲載許可どうもありがとうございました!



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