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二人だけの秘密ということで


慎吾さんに言わせれば、俺は保護者が多すぎらしい。

「つーか、利央。お前なんでついて来てんの。邪魔すんな。」

慎吾さんの言葉に、利央はぎろりと睨み返した。先輩相手によくできるな。俺には無理。

「だって慎吾さん、迅に何かしそうなんだもん。」
「何かってなんだよ。お前俺の事なんだと思ってんだ

ひよこ頭を容赦なく叩かれた利央が、何すんの!と食ってかかってまた叩かれた懲りないやつだ。

慎吾さんと食堂で昼飯を食べると言ったら、一緒に食べると利央がきかなかった
少し、勿体無く思えて。慎吾さんも、利央も食べると言ったら機嫌が傾いたらしい。

言い合う二人の後ろでため息をついた。
利央には言えないけど。

「お、利央。あっこに和と凖太。」
「あ!和さーん!凖さーん!」

慎吾さんが目ざとく食堂の隅の和さんと凖さんを見つけた。
利央がいつものようにでかい声を出しながら二人の所に走っていく。回りの女子がいつものようにクスクス笑ったので、凖さんはいつものように利央の頭を容赦なくどつきまわしていた。…可哀想に。

「ったく、せっかく迅と二人になれると思ったのに、利央のヤツ。」
「すみません!俺が断れなかったせいで!」
「いや、迅のせいじゃないだろ。…アイツ明らかに俺らの邪魔しようとしてるし
そう言ってんー、と一瞬考えてからちょいと手招きした。何か思い付いた、人の悪い笑顔。

こういう笑顔の時には、なんだか嫌な予感がするのだけど。恐る恐る距離を縮めると慎吾さんはすっと内緒話をするみたいに耳に口元を寄せた。

「―――――。」
「え…。」
「あー!慎吾さん、何してんのォ?!」

突然利央がでかい声で叫んで、うるせーよと慎吾さんが怒鳴り返した。
利央を黙らせるためか、結局一緒に食べる事にしたらしい。

「内緒な。」

また人の悪い笑顔で笑う慎吾さんにそう言うのなら。
誰にも邪魔されないように

“今度二人でどこか遊びに行こうな?”


これは二人だけの秘密ということで。





write》月島 仰様
(ひだまりの猫)

月島様から島迅小説を頂戴致しました!!お邪魔虫しちゃう利央は可愛くて、それでも負けない慎吾さんは格好良くてたまりません(^^)秘密の約束なんて甘々モードに溶けそうです!月島様、本当にありがとうございました!



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