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18.心の在処



朝、


これほど教室への道のりが長いって思ったのは
初めてかもしれない


うん初めてだよ



『しかもほとんど寝てないしね!』




なんか逆にテンション上がって来た
よし、なんとかなるよ


きっと



うん
きっと




うー
やっぱり無理ー!
休めばよかった…


「椎そんなとこいたら邪魔よ」



楓さまぁー!!
貴女が今とてつもなく神々しく見えます!

え?いつも?
いつもは禍々しっ…



「あんた今失礼なこと考えたでしょ?」


『いえ、滅相もございません楓様』



楓の助けもあって私はようやく教室に入った


ですが!
はい、皆様ワタクシの席を御覚えでしょうか?


勿論、仁王お隣でございます




慎重に教室を見回しても
仁王はいなかったから

残念な気持ちと
少し安心気持ちが入り交じった状態で席に座った










結局、その日仁王は学校には来なかった
なんでも体調不良らしい




「椎ー!
仁王家教えてやるから見舞い行こーぜ!」


『え…え?!



突然のブンちゃんからのお誘い
ちょ…ちょっと!
以前だったら間違いなく
即答で行くと答えられるような
オイシイイベントなのに……



今は…ねぇ?
行きたくないと言うか
行けないと言うか……



「「はぁ〜」」


二人同時に溜め息吐かれた
あー仲の宜しいことで……


『な、なに二人して』



「お前この間風邪ひいたとき
仁王(と俺ら)が見舞いに来てくれただろ?」


「だから、今度は椎がお見舞い行く番でしょ?」



二人の言ってることは
とーっても分かるんですが……



「だぁぁもー
二人してウジウジ鬱陶しーな!
四の五の言わずについて来いよ!
いいな?!



『は、はぃぃ!』



結局私はブン太の迫力に圧されて
仁王の家に向かうことになった







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あきゅろす。
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