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16.なんちゃって


やぁ、やぁ
なんちゃって恋のキューピットな椎ちゃんだよ☆(黙れ)


さて、可愛い後輩の切原くんに頼まれたこの大仕事
大体の計画は切原くんが考えたんだけどねー



手始めに……作戦A
【お昼の時二人っきりにさせる!!】
から開始することになりました!!



『私切原くんに呼ばれてるから
屋上でご飯食べるね!』


「え?赤也と?
椎と赤也って接点あったかよぃ?」


『そんなことは気にしちゃいけまセン!!
あ、仁王も一緒に行かない?』


不思議そうにする三人
まぁ、そりゃぁ不思議に思うよねυ


「俺は……遠慮しとくぜよ」


『え?』





そりゃ困るよ
すごく困るよ

だって仁王が居たら
二人っきりにできないじゃないですか!!




『お願いっ!!仁王も一緒に来て!!』


「嫌じゃ」



必死で頼んでも仁王は嫌としか言わなかった
……私なにかしたったけ?


私が悩んでいると
仁王は教室から出て行ってしまった



「まったく…椎ってば馬鹿ね」



『今すごく馬鹿のとこ強調しなかった?』



「気のせいよ
ほら、切原のトコ行くんでしょ?」





『え…あ………うん』




渋々一人で屋上へ
つか、マジどうしよう
仁王に嫌われちゃったのかな……




『絶望的だぁぁ』




「何がッスか?」



ぎゃぁぁぁ!!!!
切原くん!!』



ぼーっとしながら屋上に
到着して溜め息を吐きながら
呟くと上から切原くんが現れた



うん、心臓に悪いよ
とてもびっくりした


「もしかして…丸井先輩の恋が絶望的ってコトッスか?!」


『あ、そういう意味じゃないから
ただテストが絶望的だっただけだから』




仁王のことで落ち込んでるけど
テストが絶望的だったのは嘘じゃないよ←




「ふーん
あれ?仁王先輩は?」




『……来てくれなかった』


「そうなんスか……
って、何泣きそうな顔してるんスか?!
そんなにテストの点数ヤバかったんッスか?!」







嗚呼、もう駄目だ
泣いちゃうよ

泣くな、泣くな、泣くな!!!

そう自分に言っても
視界はボヤけるばかりで

とうとう
目に溜った涙は
拭いても拭いても
頬を伝い落ちていくぐらいになってしまった




『っ、く……ひくっ……』


「え?え?!
どうしたんスか先輩?!」










困ってる
切原くんが困ってる
こんな唐突に泣かれれば
誰でも困るよね






ふと、別校舎の方を見ると






屋上に居た









仁王が





遠すぎて表情は見えないけど























「じゃ、俺そろそろ行くッス」


『うん、なんかゴメンねー?』


やっとこさ私が泣きやんだ頃には
昼休みはもうすぐ終わる時間になってた

うん
どんだけ泣いてたんだよ私?


まぁいいや
スッキリしたし



「明日は泣かないでくださいよー?」


『アハハハ…大丈夫だって』



切原くんが屋上から出ていくと
私は寝転がった


目が腫れちゃったから
午後の授業はサボり


目を閉じると
直ぐに意識が遠くなっていった








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