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1.貴方を知った日



私が貴方を知った日は
…3年生になったアノ日















誰も居ない放課後の教室で
ただボーっとしてた

いくら
中学から大学までエスカレータ式の学校でも
3年生になるのは悲しい感じがした

嫌でも7年間近く顔を合わせるかもしれないけど



私は部活をやってない分
皆より思い出が少ない気がする

だから今こうやって
教室を見るとは無しに見て居るんだと思う






皆は今頃部活をやっている時間だろう
友達の楓もテニス部で頑張ってる頃かな…?












ガラッ






唐突にドアの開く音がし
誰かが教室に入ってきた



「…っと…確か新月?」


『あ、仁王』




それは3年になって初めて同じクラスになった

強靭な人気を誇る
男子テニス部に所属している
仁王雅治だった

因みに真田くんの次に中学生に見えない人物





「こんな時間に何やっとるんじゃ?」



独特のイントネーションの話し方で話かけられて、

ようやく私は暫くの間仁王に見とれてたことに気付いた


変態とか言わないでね?



『えっと……教室見てた』


「へぇ教室を…?」



然程興味の無さそうな声で言われ、少しの間沈黙が流れた

さすがに気まずくなって
今度は私が仁王に質問をしてみた




『仁王はなにしに来たんだぃ?』


「ちょっと忘れもんを取りにな…」



ホレこれじゃ…とペンケースをこちらに見せて仁王が言った

その姿が可愛いと本気で思ってしまった…

萌え〜vvだよ
……ゴメン冗談





「もう暗いでの気を付けて帰りんしゃい」


『あ、うん』



爽やかに教室から出て行く姿はとてもかっこよかった

と思う





これが仁王と私が
初めて知り合った日

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