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【花阿】-first kiss-A
「隆也,ちょっといいか?」


勢いよく自分の席を立ち,まだ水谷達と話している最中だったでだろう所へ
俺は無理やり入り込み,隆也の返事を聞く前に無理やり腕を引っ張っていき屋上へとやってきた。








「・・・梓?どうしたんだよ」


不機嫌そうに顔をしかめて,俺にそう呟いた。
そういえば隆也と二人っきりで話すのは久しぶりだな,
とか考えながら俺は隆也に話しかける。



「隆也,何で俺の事避けてるんだ?」



「・・・」



「・・・やっぱり原因はこの前のキス,だよな・・・本当にごめん」



「嫌ならもうキスなんてもう絶対にしないから,許してくれないか?」




そう言ったら隆也は更にけわしく眉をよせて睨んできた。
やっぱり許してくれないか?
もう別れるしかないのだろうか・・・
どうにか許してくれる方法を探し脳内をかけ巡っていたら,隆也がゆっくりと口を開いた。










「そ,それはっ,俺がいや・・・だ」



「・・・えっ?」


三橋みたいな言い方で喋ると,隆也は突然高熱が出たように顔が真っ赤になって俯いた。
隆也が嫌だ?
それはキスされるのをじゃなく,されなくなるのがか?
俺はきっと動揺しているのがつい顔に出ていたのだろう。
隆也をその俺の顔をチラッと見るとまた俯いて話を続けた。






「お前はっ,いつも俺に対して遠慮ばかりでキスとかしてくれなかった・・・だろ?」

「だから,この前あいつらへの嫉妬でやっと俺にキスしてくれたじゃん。」

「それが俺は嬉しくて嬉くて・・・っ」

「だからまた嫉妬してくれれば・・・キス,してくれるのかと思って・・・」











・・・〜〜っっっ!!!
な,ななななんて可愛いんだこいつは!!!
しかも上目使いでそんな事を言わないでくれ,殺す気か?俺を!!






「・・・避けてたつもりはなかったんだけどさ,つい嫉妬されるよう意識しちまって」




「ごめんな?」


申し訳なさそうに隆也は少し涙目になりながら俺に謝った。
・・・という事は俺は避けられていなかった?
キスが嫌ではなく,むしろしてほしかったのか?
そう考えていたら大丈夫だよ,という言葉を言うよりも先に手が出てしまい,思いっ切り隆也を抱きしめた。





「あ,梓っ!?」


「隆也,俺の方こそ今までごめんな」


「好きだよ・・・隆也」




そう言って俺は隆也の耳元で呟き,今まで我慢していた隆也の唇へと手を伸ばした。









end.


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あきゅろす。
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