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バレンタインで泉阿!!
「インフルエンザにかかっただぁっ!?」


この時期かかりやすいんだよな、と花井は呟く。

阿部の野郎、何故花井には連絡したくせに俺にはメールの返信さえしないんだ。
しかも今日はあれだ。
…バレンタインという恋人の為にあるイベント日だったりするんだぞ?


はっ、こうなったら授業抜け出して阿部のお見舞いに行ってやらぁ。
あいつの事だから病気が移るだとか授業さぼんなとか絶対言うだろうな。
けど俺はそんなこっちゃ知らねぇ。
阿部が悪いんだ。








「んじゃ花井、俺早退するわ」


「…っ、は!?」


「じゃ」


と言って鞄を片手に教室を出て行く俺。
後ろから花井が何か叫んでいたけど気のせいにしとく。





一応お見舞いに行くんだし、何か買っていってあげようと思い途中コンビニに立ち寄った。


お会計を済ませ阿部の携帯に電話をかけてみたがそれは通じない。


「―――そんなに熱辛いのか?」


やばい、もしかしたら結構重症なんじゃないかと不安になってきた俺はいつの間にか阿部の家まで全力で走っていた。








「…い、ずみ??」


いかにも何で俺がいるんだ、という驚いたような阿部の反応。
その姿を可愛く思ってしまい俺は少し顔を緩んだ。


「ほら、見舞い品」


「…じゃなくてっ、泉学校は!?」

「早退した。ほら、俺はいいからはよ寝て直せ」


俺が阿部の部屋に入ろうとしたらインフル移るぞ…と言ってきたが俺は別にそんなのどうでもいい。
その様子が伝わったのか、阿部ははぁ、とため息をついて呆れたようにベッドに転がりこんだ。


「阿部ー大丈夫かー??」


「んー…駄目、かも」


改めてじっくり阿部の事を見てみると今日の阿部は少し違った。
いつもは顔をゆがませて睨んでくる目はトロンとしており、
今は声さえもきつくなく甘えたような感じで喋りかけてくる。
可愛い。
うん、とてもいとおしい。
けどやはり熱があるからか辛そうだ。
この阿部もおしいが、イチャイチャする為にもはやく治ってほしい。
そう願っていたらふと阿部が俺に話しかけてきた。






「泉、ハッピーバレンタイン」


「今日はバレンタインだってのに祝えなくてごめんな?」


そう阿部に言われ、完全に忘れきっていたバレンタインの事を思い出す。
…あぁ、そっか。
お前もこの日を楽しみにしていたのか。
そう考えたら嬉しくて、少しにやにやしてしまった。


「ばーか、祝ってやるから早く直せ」


「ははっ、だよな。有難う。」


と言われるたのと同時に俺は頬に手を伸ばし阿部の唇を俺の唇で覆う。


「――ぁっ、ぃずっん…ふっ・・・」


それはそれは濃厚なキス。
俺がその唇を離すと阿部は苦しかったのか顔を真っ赤にして息をあらげている。


「早く治るようにっておまじない」



そう耳元で囁いてから、最後にちゅっと阿部のおでこに軽いキスをした。









end.

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あきゅろす。
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