「なぁ、三橋って阿部の事好きなの?」 +++俺にとって難しい話+++ 「なあ,三橋って阿部の事好きなの?」 田島君が突然口を開いてそう言った。 田島君はさっきから無言でじぃっと僕の事を見ていた。 だからかな?いきなり話しかけられてびっくりしちゃって体が無意識に少しはねあがっちゃったよ。 でも何でそんな事を聞くんだろう・・・? そんな疑問を浮かべながら僕は田島君の質問に答える。 「あ、べくんっの事普通に好き、だよっ!」 と僕が言ったらそっか!っといつものあの優しい笑顔で笑いかけてくれた。 そして再び田島君が口を開いた。 今度は、野球の試合でバッターに立った時のような真剣な表情で。 「じゃあ、俺の事は…?」 「? 好き、だよっ!!」 「…恋愛対象だったら?」 ・・・・え? どうゆう意味だろう? 恋愛対象?? 田島君に対して…? 僕は田島君が言った言葉を理解出来ずにあたふたしてたら田島君は続けて喋った。 「俺は三橋の事、恋愛感情でゲンミツに好きだぜ!」 またいつものようにあの笑顔でそう僕に語りかけた。 そして、僕の頬に優しく触れおでこにそっとキスをした。 「ぇ、・・・ふぇええっ!?」 「ぶはっ、三橋顔真っ赤!!」 こんな事されたのは田島君が初めてだった。 だからだろう、顔が真っ赤なのは。 もう頭がぱんぱん。 田島君は表情がすごく豊かで、僕の話もちゃんと最後まで聞いてくれて、とても好い人だ。 だけど何だか今日はいつもと少し違う・・・? このキスは友達にまた一歩近づいたって事なのかな? だけど田島君が言う恋愛感情って?? もう頭の中がごっちゃごちゃで、僕は今あった事を整理するのにだけでも一週間はかかるだろう。 だけどね田島君、これだけはわかるよ。 田島君が触れた所が今でも暖かくて、きもちいと感じた事。 そしてどんな意味かはわからないけれど好きって言ってくれて嬉しかった事。 今はまだ全然だけど、これから少しずつ田島君の事わかっていけるといいな。 だからね、理解するためにもう少し時間を頂戴? そしたら今度は僕から田島君に「好きだよ」って言うから――― end. [戻る] |