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趣味悪い(六才)#
※才蔵視点
※最初から最後までジョイント中








天井を背景に荒い息遣いと細身の体が揺れる。それに合わせて自分の体が揺さぶられ、埋め込まれた楔が抜き差しを繰り返し、存在を主張する。打ち付ける肌と互いの欲望が絡み合う水音が、俺の微かな喘ぎ声と共に部屋に響いた。
今、俺を抱いている男を見る。衆道なら女役であろう細身の体躯と妖艶さを持つ彼が、平均よりは身長が高く、それなりに筋肉の着いた自分に欲望をぶつけている。
普通、逆だよなぁ。なんて苦笑していたら、脚を更に開かされ、より奥を刔られた。その際、ナカの敏感な部分を擦り、電流のように走る快感に身体がしなる。

「っ、ぅああっ!」
「考え事とは関心しませんね、才蔵」
「ふっ…はぁ、はぁ…」

口元は薄く笑んでいるものの、隻眼は己の属性である水の如く冷たい。アンタの事を考えていたんだよ、と息も絶え絶えに伝えると額にちゅうと唇を落とされ、鼻と鼻が当たるほどの至近距離で「私の事を、どのように?」と尋ねてきた。いつの間にか目も口元同様、楽しげに笑んでいる。

「ん……趣味、悪ィよな、って」

抱くなら、自分より小さい相手がいいだろうに。いや、稚児趣味に走れってんじゃなくて。ただそう思った。
快楽で浮かされた頭では、六郎サンの雰囲気が変わった事に気付かず、ただ彼が与える熱だけを感じていた。
開かされた脚は、膝裏に手を差し込まれ、膝と肩が着くくらいまでに身体を折り曲げられる。更に六郎サンが体重を掛けてくるものだから重いし息苦しい。律動も止み、最奥が物足りなさにひくひくと蠢くのが自分でもわかった。

「ちょ…ろくろう、さァん…っ」

負荷がかかって、満足に呼吸も出来ない。ねだるように名を呼ぶと、深く深く口付けられた。呼吸がままならないと言うのに、酸素が奪われていく。本気で酸欠になる!と六郎サンの肩を叩くと、漸く唇を離され、膝裏からも手が退いて、呼吸が楽になった。
肺一杯に酸素を吸い込むと、上下する胸に彼が顔を寄せて、胸の突起を啄んだり舌で潰したりと、じわじわともどかしい刺激を与えてくる。空いてる片手で反り立つ俺のものを扱き、急速に追い上げてくる快感に身をよじらせた。

「ひぃ…んんっ」
「趣味が悪いのは、お互い様でしょう?」

ぐち、と強く握り込まれ、俺の先走りが六郎サンの手を汚す。白濁が指に絡み、滑らかに扱かれる。その快感に煽られながらも、ニッと笑って六郎サンの整った顔を両手で包み込んだ。

「俺は、趣味、んっ…悪か、ねぇよ…六郎サン、美人…だからな…っあ」

六郎サンはキョトンとした後、空いた片手を俺の顔の横に置く。こつんと額が合わさり、視界いっぱいに六郎サンの顔が広がった。

「…では、私も趣味悪くありませんよ」

才蔵は、綺麗ですから。微笑みながらそんな事を言う六郎サン。いやアンタの方が綺麗だろ。

「………やっぱり、趣味悪ィ、よ」

恥ずかしさから顔を逸らし、肩口に埋める。自分より細い肩に腕を回して、白い肌に噛み付いた。

(ああ、なんて甘ったるい)

耳元で「やってくれましたね」と囁かれる。声の振動で耳朶が震え、楔をきゅうと締め付けると、律動が再開された。肌と肌がぶつかる音と突き上げる快楽が思考を奪っていく。真っ白になっていく頭の中。ただ夢中で六郎サンにしがみついていた。


 


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あきゅろす。
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