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残念な六郎さん.2(六→才)
※残念な六郎
※六郎視点



「…っ、はぁ…六郎、さぁん…」

仰向けに倒れている才蔵は、苦しそうに胸を押さえて私を見上げる。切なげな瞳と蒸気した頬が、彼の辛さを物語っていた。

「身体が…熱いんだ…」

目から零れんばかりに潤んだ瞳。途切れ途切れの呼吸は甘く、私を惹き付ける。傍に腰を下ろすと、震える手が伸びてきた。

「なァ…六郎、サン…っ」

私の腕を掴み、弱々しく起き上がるとのしかかってきた。熱い身体が密着し、私にも熱が伝わる。速まる鼓動を覆う胸板の上に、才蔵がしなやかに手を置いた。色香を帯びた動作に顔の熱が高まる。

「な…?抱いてくれ…」

腿に才蔵の高ぶりが押し付けられる。それに反応してしまう自分。気付いた才蔵は妖艶に微笑み、乾いた唇を舐めた。

「好きに、して…いいよ」
「…っ!」

艶めいた唇に噛み付く。熱い吐息に、触れ合う肌に、くらりと眩暈がした。





「って事がしたいので若、媚薬持ってるでしょう?今すぐください寄越せくれ」

「ツッコミどころは沢山あるのだが、とりあえずだな六郎……鼻血拭け」


■六郎さん妄想乙ww
六郎の中で幸村は媚薬持ってて当たり前のようです。




不意に視界に入ったのは、小さな赤い華。それは、あってはならない場所にあった。荒ぶる感情のまま、才蔵の腕を掴み、部屋へと連れ込むと、乱暴に壁に押し付けた。痛みと戸惑いに歪む瞳が私を見る。

「っ…ろ、六郎サン…!?」
「才蔵、何ですかコレは」

首筋に浮かぶ赤い所有印を指でなぞる。私が付けたものではない。別の誰かが才蔵に触れたのかと思うと、どす黒い怒りが沸いて来る。意志に関わらず、腕を掴む手に力が篭った。

「痛…待ってくれ、コレは…」
「待ちません」

言い訳を紡ごうとする唇を無理矢理塞ぐ。だが才蔵は押し離そうと肩を押してくる。それがまた私の怒りを煽った。唇を離すと名残惜しげに銀糸が細く伸びる。ぷつりと切れると同時に、気を失わぬ程度の音波を放った。

「あっ…!?」

崩れ落ちる才蔵の腰に手を回して支える。互いの吐息が掛かるくらいにまで距離を詰めると、才蔵の瞳の中に、冷たく笑んだ私がいた。

「貴方が誰のものなのか、その身体にきっちり教え込む必要がありますね」
「や…待っ」
「お仕置きです」

怯える表情を見て加虐心が疼いた。
ああ、どうしてやろうか。啼かせて泣かせて、めちゃくちゃにしてやろうか。
私しか見えないように、感じられないように。

首筋に浮かぶ赤い華を潰したくて、ちぎる勢いで噛みついた。才蔵の声にならない悲鳴も、鼻につく血の匂いも、私の理性を取り戻すには至らなかった。






「という事がしたいので若、程々に才蔵の首筋に痕を付けてきてください。付けるだけですよ。それ以上の事をしたら男性ではなくなりますからね」
「えっ、どゆこと?……いや、それより鼻血拭け」


■六郎、妄想ry
主を当て馬に使おうとする残念な小姓。
六郎の妄想に付き合わせられる幸村様が可哀相に思えてきたww
眩暈も血の匂いも、鼻血のせいww


12/03/09

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あきゅろす。
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