残念な六郎さん.1(幸才←六) ※幸才真っ最中に遭遇する六郎 ※残念な六郎 ※六郎視点 襖を開けた先にある光景に呆然とする。 予め覚悟していた筈なのに。襖の向こうの、不穏な気配を知っていて踏み込んだ筈なのに。 (ああ、そうか) 呆然としている訳ではない。魅了されてるのだ。 俯せになり、若に腰を持ち上げられ、彼の欲望を受け入れる才蔵の姿に。 「どうした、六郎。はよう部屋に入らんか」 「や、ぁ…っ、見るな、六郎サン…!」 息も絶え絶えに、背をしならせて嬌声をあげる才蔵の姿はあまりにも美しく、知らず知らずに足は部屋の中に踏み入れ、後ろ手で襖を閉めていた。 若がニヤリと笑う。彼の術中に嵌まってしまったのだろうか。それでも構わない。 引き寄せられるように、喘ぐ才蔵の元へ歩み、目の前にしゃがみ込む。 顎を掴んで上を向けさせると、情欲に塗れた瞳から大粒の涙が零れ落ちた。 「っ、六郎、サン…!」 「才蔵…」 するりと蒸気する頬を撫でれば、その上にぽたりと一滴落ちる。 (そうか、これは、私の…) 才蔵を自分のものに出来なかった悔しさと、こんな形でも彼と肌を合わせたいと願う自分の浅ましさの現れ。 「六郎…鼻血かよだれ、どっちか止めんか」 「え」 「うあっ、オッサン…こそ、いい加減止め、ああっ!」 「っ、才蔵ぉおおお!!」 「鼻血止めろ!ワシの部屋が惨劇が起きたみたいになっとるだろうが!」 ■イロイロありましたが、無事(?)に3Pに至りましたww 12/03/09 [*前へ][次へ#] |