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短編
雨と笑顔と相合い傘。【LTL/タクト】

とある雨の日、俺はレミ君とさくらと会うためにS区立高校へと足を運ぶ。

二人はその事を知らないので学校終わりの所を捕まえるという作戦だ。




学校が終わる少し前の時間から、校門前で時間を潰す。



……お。チャイム鳴ったし終わったかなー?

俺の予想は当たったようで、ちょっとすると学校を出ていく生徒が増えてきた。


さてと、レミ君とさくらは……





「あれ……タクトさん?」



あらら?探そうとしたら先に見つけられちゃった。
この声はレミ君だ。



「よぉ、少年」



そう言いながら振り返るのだが。


……俺の目がとんでもないような物を映したような。


「えっと……レミ君。何をしてるのかな」
「何って……何ですか?」
「えっと……」




何で……さくらと相合い傘してんの!?!?



普段から天気予報を見ない上、朝は雨が降っていなかったので傘を持ってきていないであろうさくらを自分の傘に入れてあげようと思っていたのだが……少年に先を越された。

というかレミ君は俺がさくらのことが好きって知ってるはずなんだけど……。




「あ、相合い傘……」
「え?あ……!!」

状況を察したらしい。


とりあえずこの気まずい状況を何とかしようとさくらの肩をトントンッと叩くレミ君。


「…ん?」

肩を叩かれたさくらが本から目を離し、イヤホンを片耳だけ外してレミを見る。


さくらはレミに傘をさされながら読書&イヤホンで音楽を聴いて自分の世界に入っていたため、二人のやりとりに全く気づいなかったのである。


そんなさくらに無言で目の前の人物……俺を指差して視線を促すレミ君。





……人を指差すって失礼じゃないか少年?

と思ったがいちいち指摘するのがめんどくさいのでスルーで。




『あ、タクトさん』
「どーもー、タクトさんです」


やっと俺に気づいたさくらに苦笑い気味でそう答える。



『どうしたんですか?……って言うか何でここに?』
「いやー、レミ君とさくらと話しでもしようかなーって思ってね」
「僕とさくらとですか?」
「うん。二人ともこの後暇?」
「僕は何も予定ないですけど……」
『私も暇ですよー』
「じゃあその辺の店でお茶でもしながら話しますか」



とくに反対もなかったので、店を探すために歩き出す。





レミ君の傘に入っていたさくらは俺の傘の方が大きいからあんま濡れないよ、と言って俺の傘に入れました!






店に入って飲み物とデザートを頼み、色々な話をした。
二人の学校の事や他愛もない話。
そして……館でのあの出来事のことも。

館から帰ってきた後の病院でも話はしたが、今回は事件のことにはあまり触れずに話した。





話をしているうちに時間も過ぎ、会計を済まして店を出ることにした。





『あ、雨止んでる』


そんなさくらの声を聞いて、空を見上げる。
店に入る前降っていた雨は、もう止んでいた。




二人を家まで送るため、まずは今いる場所から家の近いさくらの家へと再び他愛ない話をしながら道を歩く。


楽しい時間はすぐに過ぎるもので、あっという間にさくらの家だ。


「じゃあ、またね」
『うん、また明日学校でね!…タクトさん、ケーキと紅茶ありがとうございました』
「いやいや、全然大丈夫よー」


『あと、……傘に入れてくれてありがとうございました』

そう言って微笑むさくら。



……うん。その顔可愛すぎるからやめて!





さくらと別れ、次はレミ君の家へと足を進める。

さっきたくさん話したせいか、これといった話題が見つからずに沈黙が続く。


俺は話題を探しながら、さくらの事を考えていた。

恋とかそういうのは性に合わない、いつもそう思ってた。
けど、何故かさくらに関してはそうは思わないんだよな。
それはやっぱり俺がさくらを好きってことで片付く事なんだけど。



さくらは俺の事をどう思ってるんだろうか。
もし好きでいてくれてるのなら……
なんていつもの妄想をしてみる。









(なぁ、レミ君。恋って良いね)
(なんですか急に)

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