20.残夢
これは夢…きっと悪い夢。だから、早く私を目覚めさせて。
『あれ?…ここは?』
「気がつきましたか。ここは黒曜ランドですよ」
黒曜ランド?何で私が居るの?
「クロームが雨の中倒れているあおいをここまで連れて来てくれました」
クロームちゃんが…。
そっか…私、あの後倒れたんだ。たぶんこの心臓のせいで。
『ありがとう』
素敵な友達が居て良かった。本当…に。
『―うっ…』
何で?何で急に…涙が…
『私…私…雲雀さんと…別れたっ…』
「…辛かったですね」
今でも好き…大好き!!でも、私は雲雀さんに相応しくない。
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「あおい、今日は学校休んで遊びに行こう」
『…そうだね』
遊んで辛いことを忘れよう。
「私ね…あおいと出会う前は友達なんて居なかった。骸様とあおいが居たからここまで来れた…だから…あおいもそう思ってほしい。私たちのことそう…」
『―っやだ…クロームちゃんがそんな事言うから…涙がッ』
「悲しい時は悲しいって言ってね…」
『うん…。ずっと悲しかった…でも、今は嬉しい』
クロームちゃんが居なきゃ私は立ち直れなかったと思う。
「あおい、これあげる」
クロームちゃんは私に綺麗なリングをくれた。
「あおいは…術士の素質がある。いつか…役に立つと思う」
術士?
よく分からないけど嬉しい…。
『ありがとう』
すると、クロームちゃんはニコリと笑った。
そして、自然と笑みがこぼれた。
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(早く遊びに行こうかっ)
(うん!)
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