[通常モード] [URL送信]
18.涙雨




雲雀さんは幸せになれない。

シアワセニナレナイ。



家に帰り、そんな事ばかり考えて居た。涙なんかもう出ない。


雲雀さんには幸せになってほしい。だから、私と居ちゃダメだ。






-----------*






「話って?」


私は雲雀さんと再会した黒曜と並盛を繋ぐ橋に雲雀さんを呼んだ。


『雲雀さん、何も聞かず、私と別れて』


「…何で?」


『だから…聞かないで』


「理由も聞かずに別れられると思う?」


『だから…言えない。察して!』


「…なら、いっそう君を殺そうか?」


そう言い、私にトンファーを向けた。


病気で死ねぐらいなら…


『あなたになら殺されてもいい』


大好きな人の手で葬られるなら嬉しい。


「―っ…僕はきっと君を忘れることが出来ない。君以上の人を愛することなんて出来ない」


雲雀さんは私を抱きしめ、そう言った。


『私も…この恋が最初で最後』


私たちはお互いの唇を重ね合わし、最後のキスをした。


「あおい…」


『…さようなら』


さようなら…大好きな人…。


『私の分も幸せに…なって』


私の出来なかった夢を叶えて。好きな人と結婚…


『―…うっ…』


どうしよう…涙が零れてきた。嫌だ…もう泣かないって決めたのに…。


冷たい…雨なのか涙なのか分からない。



同時に君も泣いていたことを私は知らなかった。



――――――――――

(さようなら)



あきゅろす。
無料HPエムペ!