18.涙雨
雲雀さんは幸せになれない。
シアワセニナレナイ。
家に帰り、そんな事ばかり考えて居た。涙なんかもう出ない。
雲雀さんには幸せになってほしい。だから、私と居ちゃダメだ。
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「話って?」
私は雲雀さんと再会した黒曜と並盛を繋ぐ橋に雲雀さんを呼んだ。
『雲雀さん、何も聞かず、私と別れて』
「…何で?」
『だから…聞かないで』
「理由も聞かずに別れられると思う?」
『だから…言えない。察して!』
「…なら、いっそう君を殺そうか?」
そう言い、私にトンファーを向けた。
病気で死ねぐらいなら…
『あなたになら殺されてもいい』
大好きな人の手で葬られるなら嬉しい。
「―っ…僕はきっと君を忘れることが出来ない。君以上の人を愛することなんて出来ない」
雲雀さんは私を抱きしめ、そう言った。
『私も…この恋が最初で最後』
私たちはお互いの唇を重ね合わし、最後のキスをした。
「あおい…」
『…さようなら』
さようなら…大好きな人…。
『私の分も幸せに…なって』
私の出来なかった夢を叶えて。好きな人と結婚…
『―…うっ…』
どうしよう…涙が零れてきた。嫌だ…もう泣かないって決めたのに…。
冷たい…雨なのか涙なのか分からない。
同時に君も泣いていたことを私は知らなかった。
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(さようなら)
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