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其之参
さて、頑張りますか。
 
「Hey 戻ったな梨乃!」
 
政宗さんの近くに行くと直ぐに声を掛けられた。
お酒が入っているからか、機嫌が妙に良い。
 
「梨乃も飲めよ」
『飲んだ事無いんで、遠慮しておきますよ。
酔っ払って皆さんにご迷惑をお掛けする訳にもいきませんしね』
 
そう言うと政宗さんは少し詰まらなそうな顔をした。
これもお酒の所為なのかな?
…そう考えると、お酒って結構怖いな。
自分と言うモノの本質が…底辺が浮き上がらされる。
理性を薄れさせる物は、困る。
 
『代わりに、注ぎますよ』
 
脳に浮んだ考えを隅に寄せ、目的を達する為にも政宗さんにお酒を勧める。
 
「Thank you.」
『いいえ』
 
その後も、時折絡んできては政宗さんに怒られる成実さんや政宗さんの隣で静かに飲んでいる小十郎さんにもお酌をしながらも確実に政宗さんに飲ませていく。
 
「梨乃ちゃ〜ん」
『うゎっ』
 
どうやらかなり酔ってしまったらしい成実さんに抱きつかれてしまった。
 
「ふざけんなよコラ成実!」
 
酔った人のする事なんで私は気にしないんだけど、政宗さんが成実さんに容赦無く鉄拳制裁を下した。
音からしてかなり痛そうだ。
 
「っ〜いってぇぞ!梵!!
梵ばっか梨乃ちゃん独り占めすんなよ!
此処野郎ばっかで花がねぇんだから!」
「知るか!」
『あの、私気にしませんので…』
「気にしろ!」
 
…私が怒られました。
しかもその儘二人は広間の空いている空間に行って喧嘩を始めてしまった。
ノリの良さが仇になったのか、周りの人達も何か囃し立ててるし…。
…どうしろって言うんだ。
 
「すまねえな…」
 
ヒートアップしてしまいどうする事もできないので、心底すまなそうな小十郎さんと観戦する事にした。
何事も諦めって肝心だしね…。


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あきゅろす。
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