其之四 『さて、こんな所ですね。 あ、女の人達は怪我人の手当てをお願いします。 極力怪我人が出ない様に策を立てましたが、もし怪我をしたら近くの人に村まで連れて行ってもらって下さい。 後、念の為私は橋のこちら側に待機しておきますので強い人が来てしまったら、即座に橋の近くで手を振って下さい。 すぐにそちらに駆けつけます』 念には念を、と言うしね。 「本当にそれで勝てるだか?」 『勝てます』 負ける訳には行かないんだから、必ず勝たせる。 「でも相手はお侍さんだべ?」 『だからこそ、ですよ。 自分達は侍だ、相手は農民だと油断している人間に勝つ事なんて容易い事です。 では皆さん、早速準備に取り掛かって下さい』 そう言うと村の人達は其々準備に向かった。 話の最中も降り続いていた細雪は、立派な牡丹雪に変わってやがて吹雪に変わった。 一揆のその時まで降って、より村人に有利になれば良い。 END ……………………………………… 実はヒロイン、前回悔しがって泣いていたいつきを自分に、笑っているいつきを壊れる前の妹に無意識で重ねてます。 解怠する=だらける 細雪=細かに降る雪 牡丹雪=粒が大きく固まって降るもの 分からない言葉があれば此処に [*前へ][次へ#] |