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「それに、まだ証拠があったりして」
 
そう言って取り出されたのは、かなり見覚えのある猫の紋が入った小さめのナイフ。
 
「へぶっ!」
 
さっき運んだ時に見つけちゃった、と笑う男の横面をつい殴ってしまった。

…全く、こいつは…性格だけじゃなくて手癖まで悪いのか!!(崩壊中)
 
何も殴る事は無かっただろうが、佐助の髪色がミケに似ている所為だ。
何か殴りたくなった。
それだけ。
きっと、多分、恐らくは。
 
佐助ぇ!と心配している赤いのは放っておいて、荒くなってしまった息を静めることに集中した。
 
「っつぅー、旦那。」
 
どうやらその間に復活したらしい。
 
「この子さ、不審者だから連れて帰ろうね?
君も大人しく付いてきてね〜」
 
…さっさと逃げれば良かった。
 
『気安く話し掛けてくる軟派な男は何か企んでるから付いて行っちゃダメだって言われてます』
 
数年前ミケにね。
…でもこれってミケも当て嵌まるような…。
 
へぇ、と流してにっこり笑って手を構えた奴に、気絶させられるんだろうな、と思いながらも今逃げるのは骨が折れると考えて大人しく首に手刀が振ってくるのを待った。


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あきゅろす。
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