2 どうしようかな。 別に片付けるのは簡単だけど…できれば避けたい。 コートの中にある小型のナイフに触れながら少し後退する。 後ろは崖だからあまり後ろに行くと危ない。 進退窮まって困ってた所に大きな声が聞こえた。 「佐助ぇぇぇええ!」 「はいはいっと」 次の瞬間、目の前に燈色の髪の男が現れた。 …激しく見覚えがある。 と言うか、さっきの声からして現実逃避した所で変わらない事実だよね。 声も姿も、陽乃が好んで使っていたキャラだから良く憶えてる。 陽乃が使っていなかったのはあんまり憶えてない。 でもこんなに派手な忍もそう居ないだろうから、過去に会ってなくても陽乃が気に入ってなくても気付いたかもね。 「あ〜、ちょっとゴメンね? 怖いかもしれないけど…」 気付いたら、考え事をしている内に姫抱きにされていた…こんな事する奴本当にいたんだな若干慌てたけどすぐ諦めた。 何故って…もう空中にいるしね? この人。 流石に人間ジャムになるのは嫌だ。 「佐助ぇ!終わったぞ!」 崖下に下ろされて暫く(ガツッとか鈍い音が響く中で)待つとそんな声が上から聞こえた。 また佐助(もう確定だよ…)に抱えられ、赤い人の所へ連れて行かれた。 「ご苦労様、旦那」 「うむ、佐助帰りに団子を買うぞ!」 「はいはい、それ関係無いからとりあえず落ち着いてね〜」 漫才だよね、もう既に。 [*前へ][次へ#] |