オリジナル 変化の兆し(7) そんな感じで、午前中は終わった。 授業が終わり、教員が出ていくと、契と蛍菜が僕の所に来た。 「澪、弁当食べに行くぞ。」 僕等はいつも3人で、お弁当を食べている。 「うん。行きましょうか。」 そう言って、この時間帯には余り人が通らない場所を通り、屋上に向かった。 「契。」 本来そこは、生徒が入れないように鍵が掛かっている。 「へいへい。」 そう言いながら契は、ポケットから針金を取り出した。 「神崎、返事は一回で良いんだよ。」 蛍菜が、子供に母親が言うような感じで言った。 「別に良いだろ。」 と言いながら立ち上がった。 どうやら鍵が開いたようだ。 「ご苦労さま、契。 将来は立派な泥棒さんだね。」 からかうように言うと、 「うるせーよ。 現ネット犯罪者。」 ・・・鋭いツッコミが返されてしまった。 [前へ][次へ] |