空間
目を開ければ、
そこは、
(白?)
ここは、何処だろう。
何もない、真っ白な空間。
辺りを見回しても白が続くだけ。
(…私の世界とは大違いっ)
私の世界は、真っ暗で何も見えない。
自分すらも闇に溶けて。
(まるで、元から居ないみたいに。)
白なんて、私には似合わない。
"ポチャン"
『っ……』
(…水?)
気付けば足首が浸る程の水。
"ポチャン"
『誰か、居るの?』
「……」
目の前には、黒い男の人が唯黙って私を見つめていた。
『(っ何時の間に)貴方は、誰?』
「……」
男は無言のまま、
『ねぇ、此処は何処?』
「……」
未だに無表情のまま。
『ねぇ!答ぇ…』
「…君は、今、幸せかい?」
『っ…』
「君は、楽しいかい?偽りの仮面をつけて、
愛想笑いして、」
なんで?何で知っているの?
本当の私を、この人は知っている…?
それでも、
弱みを見せたら付け入られるから、
だから、
本音や、本当の自分なんて見せない。
「でも、それじゃあ本当の幸せなんて
来ないんだよ。」
『そんなことっ』
「君は、自分で分かってるんだよね?
だけど、怖い、自分の世界来ないで、
違う?」
何故そこまで分かるの、
まるでっ、
(心の中を読まれているみたい…っ)
「君ならきっと、大丈夫。
だから、行っておいで。」
『っ待って、行くって何処へ!』
「君の、 」
『っ聞こえないよ、』
視界が見えなくなると同時に、
意識もそこで、途切れた。
(君は一体、誰なの?)
(何で私を)
(見つけられたの?)
(ねぇ、)
(答えてよっ)
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