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『私』の長い夢

真夜中。ただ言えるのはその言葉だった。
星が微弱な光を届け、月が太陽の光を反射している。
その光達は所詮部屋の中まで届く訳ではなく、部屋にある光なんて、人為的に作られた照明。

何も見えなくても大丈夫なのに。
知ることさえ出来れば大丈夫。

結果は過程の積み上げなのだから。
過程は結果を生み出す為の道でしかない。到達点への道がどうであれ、到達した時良ければいいのだから。

それまでは、まずは知ろう。
全てを超越して、未来を知っているかように。


「ツモ、国士無双十三面待ち」

パタッ、と一つ音を立てて牌が倒れる。

「…またかよ」

麻雀部全員での校内合宿。
一応補欠のようなものとして、半強制的に入部されられた刻音も参加をしていた。


本日3回目の刻音の役満。
それも全て、南4局での出来事である。

彼がする事は、殆ど理解不能だった。恐らく、彼以外には誰にも理解できないことなのだろう。

そう思っても、最後に、1位という結果をだされてしまえば、その理解不能な行為全てが理にかなっているように見えてしまう。
もしかしたら、過程の上に結果が成り立つのではなく、結果の下に過程が成り立つのかもしれない。
いくら、過程があったとしても、結果がなければ人は納得しない。
けれども、結果があれば、過程がどうであれ、人は納得してしまうもの。
それもまた人の性なのかもしれない。

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あきゅろす。
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