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レッド★ライン

『だから言ったんだよ』

 溜め息混じりにふってきた声。
 まるで出来の悪い生徒を諭すような口調にユーリは少しばかりムッとした。

 何がだから、だ。

 好きで喧嘩した訳じゃない。
 本当なら絡まれた女の子を助けて、それから帰ってケーキを食べる予定だったんだ―――。

***


『第一、星占いなんて当てにならないよ。僕が見た雑誌だと君の運勢は最下位だった』

 これはユーリが星占いのことで自慢した時にフレンがしゃあしゃあと言った言葉だ。加えてにっこり笑顔のオプション付き。

 だから意地の悪い気持ちでフレンの言葉に「俺その雑誌読んでねぇし」と返したら、思いの他きつーく睨まれてしまった。
 どうやらフレンのお気に入りの雑誌だったらしい。

『とにかく今日はすっげぇ良い日なんだっつの!気分ぶち壊すようなこと言うな』
『ただ事実を言っただけだ。…あと寄り道は災難のもと、って書いてある』

 雑誌の星占いの文を声に出して丁寧に言うフレンに『ったく、小姑め』と内心で毒づく。
 昔っからフレンはユーリに対し、あれはダメこれはダメと事ある毎に口出ししてきた。

 そのためか、ユーリの中ではフレン=小姑と刻名に脳内にインプットされてしまった。フレンが聞けばきっと怒ってしまうに違いない。



 微かに聞こえる話し声に促されるようにユーリはゆっくり目を開けた。

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