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レッド★ライン

 それを合図に他の二人も襲いかかってくる。

 相手の右ストレートをなんなくかわし、左足を引っ掛けて転ばす。図体だけがデカイその男は、見事に顔面から汚いアスファルトにご挨拶だ。

「調子に乗ってんじゃねぇぞ!!ッらあぁ」

 背後からもう一人の男に髪を掴まれ無理矢理に顔を振り向かされる。
 束ねた髪がほどけ、引っ張られている部分が痛い。

 それでも男を睨み付けるユーリの右頬を殴りつける。
 衝撃で中が切れたのか血の味が口腔に広がった。

 しかしやられっぱなしも気に食わないユーリは、髪を掴まれたまま男の顔面に頭をぶつける。
 ゴリッ……と嫌な音がして、男はアスファルトの上で干上がった魚のように身体をのたうたせていた。

 もしかしたら鼻が折れたのかもしれない。ユーリは男には目を向けず、口腔の血をペッと吐き出した。

「くそっ…油断は禁物かっ…てうぁあ」

 後頭部に鈍い痛みが走る。

 つーーっと額を伝うそれを左手で確認するとべったりと血がついていた。

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