レッド★ライン
3
声がする方向に目を向けてみれば、女の子が数人の男達に囲まれているというベタな事が起きていた。
嫌がる女の子一人に三人の男達。
周りは面倒事を避けてなのか見て見ぬ振りをしており、誰も助けようとする者は居ない。
なんだかなぁと思いつつそれを放っておけないユーリはその場へゆっくりと歩いていった。
厄介事はごめんなんだがと思えど、首を突っ込んでしまうのは性分だろうともはや諦めている。
「なーにしてんの?」
極めて軽い口調で話しかける。
突然の見知らぬ人物の乱入に男達は、虚をつかれたのかポカンとした顔をしている。
それはユーリが百年来の友人、という風に話しかけたからかもしれないし、およそ男とは思えなかったからかもしれない。
もちろんユーリにはこんな知り合いはいないし、女と間違われるなど心外もいいとこだ。
「だから、なにしてんの?って聞いてんだけど」
いまだに呆けたままの男達に再度問い掛ける。
男達は目が覚めたみたいにハッとしてからユーリを睨み付ける。
まさに定番のパターンにマニュアル本でもあるのかと疑ってしまいそうだ。
「あ゙ぁ?!!てめぇこそ俺らに用でもあんのかよ!」
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