レッド★ライン
2
さて遡ること数時間前。
課題があるにも関わらず、一緒に帰りたそうにしていたフレンを置き去りにし、ユーリはとある場所にやってきていた。
お洒落な看板が掲げられた店。
キラキラとショウウインドに並べられた色とりどりの甘いケーキ。
そうユーリは洋菓子店にきていた。
いつもはフレンが一緒であまり来れず、来たら来たで何かと口を挟む親友と来るよりは、一人で来る方が断然楽であった。
どれもこれも美味しそうで思わず買ってしまいそうなのだが、ユーリの目的はそれらケーキではなく、売り切れごめんの人気商品にある。
星占いを信じてもしかしたら残っているかもしれないと、この店に寄ったけれど、まさか本当に残っているとは思ってもみなかった。
そうしてすんなりと買えたケーキを手に足取りも軽やかに帰り道を歩こうとした時だった。
ユーリの耳に聞き捨てならない台詞が入ってきた。
「いや!やめて下さいッ!!誰か、誰か助けッあ」
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