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機械仕掛けの恋。



はぁー…。


 もう何度目か分からない溜め息を一つ。
 溜め息の原因は目の前に横たわっているアンドロイド。

 あの後、必死でこのアンドロイドを肩に担いで息も切れ切れに部屋まで運んだのだが、その間もこのアンドロイドは全く動く気配がなかった。

 兎に角、勢い余って部屋まで持ってきてしまった要は、けれど果たしてこんなことをしていいのだろうか、と思った。
 棄てられていたとはいえ、後になって持ち主が取りに来ることだって、無いわけじゃない。

 でも、あのまま置き去りにすることは何故か出来なかった。
 このアンドロイドがまた目を覚ましたらいろいろ分かるのかもしれない。

 時間は既に朝の4時を回っていた。
 そろそろ寝なければ本当に学校に遅刻してしまいそうだ。
 コロンとアンドロイドの隣に寝転ぶ。
 そうして要は眠気がくるまでアンドロイドの顔を観察することにした。

 向かい合わせになるように顔を寄せて、じーっと見つめる。
 見れば見る程、整った顔をしていた。
 額に掛かる青みがかった黒髪を手ではらってやる。
 少し硬めの髪質なんだなとクスリと笑って、要はしばらくの間アンドロイドの髪を弄っていた。
 すると次第にうとうとし始めいつの間にか要は眠ってしまっていた。


 要が眠りこけてからアンドロイドはむっくりと身体を起こす。
 そして隣でくうくうと眠っている要の身体を引き寄せた。

 眠りが深いのか、アンドロイドのされるままに要は腕の中に抱き込まれた。
 その腕はひどく優しく、まるで壊れ物を扱うようだった―――。



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あきゅろす。
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