短編
お菓子(不二裕太)
「裕太、はいプレゼントー!」
「う…ありがとう」
私は裕太を餌付けしてる。
裕太は甘いものが大好き。
私はお菓子作りが趣味だけど、食べるのはもう飽きちゃった。
初めて裕太にクッキーをあげたとき、すごく美味しそうに食べてくれたのが嬉しかった。
それから週に数回という頻度でお菓子をプレゼントしてる。
「あ、ちょっと嫌そうな顔した」
「最近太ってきたような気がするんだよ」
そうか、裕太はテニス部だったっけ。
体重とか気にしないといけないんだ。
「ごめん、じゃあまた今度にするね」
「えっ…あ、いや!食べる!食べるから」
急に焦ったように私の手からマドレーヌが入っている袋を取る。
「でも…」
「これ食べたら、速攻走りに行くから良いんだ。ありがとう」
ちょっと複雑だけど、やっぱり嬉しくなる。
今日も美味しそうに食べてくれた。
「(花子にあんな悲しそうな顔されたら、断れないだろ!)」
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