みんなの
-----忍足視点-----
「ほんまにええ子やな。景ちゃんと血繋がっとうとは思えへんわ」
今日も俺様っぷりを発揮している跡部に、わざとらしくそう伝える。
「DNA検査でもしてみろ。そもそもあんなに可愛い顔なんだぜ。分かるだろう、あーん?」
「あーはいはい」
嫌味も通じへんとんだ王様やな。
「わぁ!岳人先輩すごいです!」
「だろだろー!こんなことも出来るぜー!」
端のコートで、岳人がはなにアクロバティックをして見せている。
「きゃっ」
「大丈夫?」
飛び跳ねる岳人に驚いて転びそうになる花子に、鳳が血相を変えて走り寄る。
すぐに花子の身体を支えたから、転ばずに済んだみたいやな。
「…ったく、本当に目が離せねぇな」
跡部も安心したみたいや。
ほんまに過保護。
そりゃあ守ったらなあかんっていう気持ちもわかるけどな。
「先輩、気をつけてくださいよ。花子が怪我したらどうするんですか!」
珍しく鳳が声を荒げている。
鳳にとって、どれだけ花子が大事なんかよく分かるわ。
「ご、ごめんな。気をつけるから、許してくれ」
落ち込む岳人やけど、花子の笑顔を見てほっとした顔をする。
「大丈夫ですよ。先輩、本当にすごいです」
目をきらきらさせて笑う花子に、俺も目を奪われる。
「長太郎先輩、ありがとうございます」
お礼を言われて、鳳も照れている。
みんな思ったことはひとつ。
(((可愛いなぁ)))
みんな花子に恋している。
ライバルは多いなぁ。
けど俺も負けへんで。
絶対花子を落としてみせるわ。
「(景ちゃん、せいぜい頑張って守りや)」
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