日常
-----鳳視点-----
「こんにちは」
いつも丁寧に挨拶してくれる彼女。
大きめの制服を身に纏って、おどおどしている姿がなんとも可愛い。
「こんにち「あ、花子だ〜!元気〜?今日もかわEね」…」
「きゃっ」
ジロー先輩が彼女を抱き上げる。
「一緒にお昼寝しに行こ」
抱え上げられて恥ずかしそうにばたばたしている彼女だけど、テニス部で鍛えられているジロー先輩にとって、そんな抵抗は意味がない。
俺は先輩が羊の皮を被った狼だと言うことを知っているから、この状況を見過ごせない。
「せんぱ…」
花子から助けてという視線が送られてきたので、俺はジロー先輩より高い位置から花子を抱き上げる。
そしてそのまま地面に下ろしてあげた。
「あ、ありがとうございます!」
「えーもう、邪魔しないでよ鳳〜!」
ジロー先輩に小声で伝える。
『花子に悪戯するつもりなのは分かってますよ。花子が無知なのをいい事に!』
『ちょっと触るだけじゃん!鳳に関係ないC〜』
『それがだめだって言ってるんですよ!』
「あの…先輩、私、生徒会の会議があるので失礼します」
にこっと笑って、会釈をして立ち去る花子。
「うん、また後でね」
「ばいばーい」
普通に歩いている後ろ姿すら可憐だ。
みんなに愛されている俺たちの妹のような存在の彼女は、跡部先輩が溺愛している従姉妹です。
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