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酸欠デイズ
100グラムの憂鬱

しばらく会っていなかった友人から電話が来た。


「許容力の高い、偉大なる青子ちゃんにご相談したいことがあるのですが………………………………週末空いてませんか?」


ふてぶてしさが売りの友人があんなにも腰の低い言い方をした時点で不審に感じるべきであったと今になって思う訳だが、

まぁ後の祭りというやつである。





週末、

人が少ないうちに会いたいと言う友人に、朝7時にMのつくハンバーガー店に呼び出された。
隅の席から手を振る彼女に手を振り返し、コーヒーだけ買ってから席へ向かう。


「お時間頂いて、すみません…!」

「いいよ暇だから…何なのその腰の低さ…?」


近づきながら声をかけると、何とも言い難い微妙な笑みを浮かべられた。
向かいに腰かけて、コーヒーを啜りながら久々に会う相手の顔を伺う。

…………前に会った時よりも頬が痩け、目の下の隈は不健康さをこれでもかと滲ませている。

何があった。


「やつれてるね。どうかしたの?」


様子を見ながら言葉を待っていたが、自分から話し出し辛そうだったので此方から話を振ってやると、彼女は顔のかげりを深くした。


「…………青子ちゃん、逆トリップって、ご存知?」


何 を 言 い 出 す の か と 思 え ば …

私とておたくと世間からカテゴライズされる人間の端くれ。勿論ご存知である、が、


「そういう話題は自分のHPとか、ブログでしようね」


朝から聞きたい話ではない。
軽く流そうとすると、目を三角にして


「最後まで話させてよね!!!」


なんて怒るものだから、困ってしまった。
仕様がないから冗談混じりに、


「なァに、誰か来ちゃったの?」


と返答したら、今度は涙目でうなずくものだから、本当に困ってしまった。



100グラムの憂鬱


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