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歳末大セール
(※ドキソ)


家主を寝かしつけた後、オビト君はいそいそと「ドキッ男だらけのクリパ!カカシ君のポロリもあるしオールだよ」へ行ってしまった。

病人と知人女性を置いて容赦がない。

仕方がないので景気よく持ってきたシャンパンロゼを開け、オビト君が用意してくれた料理を食べ、うちは氏が用意していたアホのように値が張るワインを飲み、ケーキをキッチリ三分の一食べ、

他人の家で見事に酔いつぶれ、
風邪を貰ったアホンダラがこちらです。

明け方に朦朧と目覚め、
見知らぬ天井、
温かな半身、
凄まじい倦怠感と頭痛
の三拍子からヤッチマッタことはわかったが、二日酔いだと思っていたため、とりあえず帰ろうと身を起そうとするも力も入らず鼻水をすすり、数秒呆然としてしまった。

舐めていた。
千手とうちはを経由したウイルスの強さを舐めていた。


「うつすと治るとは本当だったのだな。メリークリスマス。良い朝だ」


温かな半身側の家主が、昨日のげんなりが嘘のように、毛艶も良く、はつらつとしている。
良い布団ではあるがシングル用の布団なので、布団持主は半身布団から出ているが同衾状態に違いはない。でもまあ良いのだ、そんなことは。


「頭が痛い……」

「そうか」

「りんご擦って持ってきてぇ……」

「…………。」


久々の風邪……久々のひとりぼっちクリスマス……イブ……心も体もへろへろになってしまったので、相手が誰であろうと保護者に泣きつくようなことを抜かしてしまう……他人の家で……他人の布団で……
そんな状態の成人女性に
「甘ったれるな帰れ」
と普段であれば言いそうなうちは氏だが、額に手をやり体温を測り、ティッシュで鼻を拭わせた後に、無言で枕元の水差しを持ち部屋を出た。

その数分後、襖の開く音と近くの畳が沈む気配がし、上半身を起こされ水を飲まされたりりんごの味がしたり濡れた手ぬぐいで身体を拭われたり等したようだが、この頃には自分の吐く息が熱いことしかわからぬ有様だった。
熱に浮かされうわ言も漏らしたような気がする。


「お、わかるか、黒子。今薬を飲んだから、ひと眠りすれば落ち着くだろうよ」


少し気分がましになった頃、突然の千手氏の声がして意識が急浮上した。


「……医者のようなことを言うね」

「医者ゆえな。マダラに呼ばれた。あいつは看病がうまいから、きっとすぐに良くなる。もう寝たほうが良いぞ」

「いや、帰るよ……」


上手な看病のおかげか、根性を出せば身体が持ち上がるくらいには回復している。体面を気にすることができるくらいにも。
おらよ、と起き上がろうとすると、布団左右よりドクター&家主ストップを穏やかにかけられ、同時に布団もかけなおされた。


「何晩泊まろうが問題はない。布団も部屋も余るほどだ。寂しければ隣に寝ても良い」

「ではマダラ、俺も泊っていこうかと思うんだがどうだ……お泊り会みたいでワクワクしてきたぞ」

「お前は駄目だ」


絶対に駄目だ、と言いながら、布団の上からぽんぽん寝かしつけるように叩い、ふと思い出したように再度こちらへ声をかけてくる。


「何か飲むか。寝付く前にぎゅっとしなくて大丈夫か」


滅茶苦茶に優しくされ涙ぐみそうになる。
特に最後のセリフは聞き捨てならない。私が誰からも愛される女児であった頃、その中でも一番愛してくれた母が、かぜっぴきの際にいつも言ってくれたセリフである。
顔を静かに両手で覆う。


「……それ、もしかして熱に浮かされてぬかしてた?」




歳末大セール




「ぬかしたし、何度かぎゅっとした」

「……帰る前に俺もぎゅっとしていった方がいいか……?」







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皆さん、かぜっぴきには要注意!
良いお年を!






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あきゅろす。
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