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遠回しHappyBirthday(マダラ)

(※酸欠デイズ番外設定)



「メリークリスマース」

「マース」

「…………マース」


12月24日21時にPC前待機・と、海の向こうの友人と元、同居人に命じられた。
米国の友人からのパーティのお誘いを蹴って命令に従った結果がこの惨状。

画面の向こうでは、何やらきらびやかな装飾にオードブルやらケーキやらが並び、それを挟んで黒子ちゃんとマダラさんが100均で売っているようなパーティ用三角帽子を被っている。

似合わない。
似合わなすぎて怖い。
二人ともにこりともせず無表情なのも怖い。


「ね、ねぇ黒子ちゃん、私、別に参加しなくても良かったんじゃないか、な?」

「何言っていやがるの。私達と共通の縁ある貴女が参加しなくて誰が参加するというの。海外へ逃げて彼方で楽しく本格パーティ楽しめると思ったら大間違いですよてめえ。
ねぇ、マダラさん?」

「…………そうだな」


マダラさんは全然
『そうだな』
と思っていない顔で、しかし黒子ちゃんに不満を向けるのではなく私に怒りを向けているのが解る。
画面越しでも解る。

ケーキのろうそくでギラギラした赤い目が平生以上に怖い。本当に怖い。


…黒子ちゃんまだ怒ってるんだな、
とか
マダラさんは見知らぬ宗教行事と被っているとはいえ自身の想い人と誕生日を二人で過ごせることを心待ちにしていたのだろうな、
とか
それなのに画面越しとはいえ私がいることが腹立たしくてたまらないんだろうな、
とか思ったら胃が痛くなってきた。
アレッ、私、海外逃亡した意味無くない?


そんな私の内臓事情を何となく察して少し溜飲を下げた様子の黒子ちゃんは、いつの間にやら手にしていたクラッカーをぱんっ!と鳴らして私を睨み付けているマダラさんの意識を自身に向けさせた。


「マダラさん、クリスマスについてはマスメディアやら塾っ子達の話で何となくご理解いただいていることと思いますが、
クリスマスイブにはサンタクロースという赤いオッサンが深夜にやってきて良い子の物欲を満たしてくれるというイベントがあるのです。」


間違っちゃあいないが嫌な言い回しだ。
まあ、マダラさんは黒子ちゃんが自分にむけて声をかけてくれるだけで幸せそうなので問題はない。
これを言ったのがもし私だったらサンタクロースについて質問攻めにされた挙句に
『何を訳の解らないことを言っている寝ぼけているなら起こしてやろうか』
とフルボッコである。


「それで?」


と気色悪いほど優しい声で先を促してくれたりはされないだろう。


「実は私、そのオッサンと知り合いでして、何か欲しいものがあるのならおっしゃってくれれば伝えておくのもやぶさかではありません」


この遠回しな、黒子ちゃんらしからぬ言葉に私ですら何故だかきゅんとキたのだから、言われた本人の心境や、如何に。





遠回し
HappyBirthday
(あ、胸押さえてる胸押さえてる)




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12/24
HappyBirthday!


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あきゅろす。
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