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その赤をくれ(マダラ+オビト)
(※現パロ)

「ついにオビト君も献血デビュー。めでたいですね」

「ああ、まさかこいつと献血へ行くようになるとはな。感慨深いものだ」


近所の職業年齢すべて不詳の男前が、親戚の子を連れてどこかへ行くところへ、献血へ向かっていた途中で遭遇し、なぜか一緒に行くこととなった。

私は献血が好きだ。
何やら知らぬ間に、持て余すほど身に溜め込んだ血を抜いてくれるばかりか、どこかのだれかのためにもなり、飲み物や献血ドーナツももらえる。
すばらしいシステムだと思う。
皆が幸せになる。

これは過言かもしれないが、この世界には一つのコミュニティに三人くらいは献血好きがいる。
この近辺では私と冒頭の男前が挙げられる。
というか、私に献血を教えたのは彼である。
ぽんやりして日々暇そうな女子高生に

「スッとするから」

と献血に誘う輩など冷静に、否、冷静に考えなくともまごうことなく変質者だが、顔の良さが総てを相殺し、のこのこと献血カーへ着いていった。

今は昔の話だ。
双方どうかしている。
皆さんは着いて行かぬよう、心得て欲しい。


それはそれとして、件の親戚の子たる少年である。
彼は、中高は別だが、私の小学生の頃の同級生だ。
子犬とさしたる違いのないころころとした様は、立ちどころに愛らしきものを愛でる私の幼心を鷲掴みにし、同級生にもかかわらず猫かわいがりした覚えがある。

そんなあの子も早16歳。そりゃそうだ。同い年。

見ない間に、どうやら事故に遭って顔や体に傷が残ってしまったようだが、それも含めてすこぶる格好良く成長している。
いいぞ、その調子だ。
すばらしい遺伝子だと思う。


「何でこんな天気の良い日に献血なんだよ……公園の散歩とかでいいじゃねえかよ……」


連れて来られたオビト君は渋々感を隠さずにいる。


「確かに。どこかへ行く用事があったのでは」

「……しばらくうちへ籠っていたから、外へ散歩にでも……と思ってな。こいつは着いて行くと言って聞かず、勝手に着いて来ただけだ。気にすることはない」

「あんたが悪さをしないように、着いて来てやったんだろう、じいさん」


眉間にしわを寄せてはいるが、声は優しい。
窘めるように語りかける様子は、介護士のそれだ。
……じいさん、というほどの年齢なのだろうか。黒々とした御髪をなびかせて歩く姿は、……、……30、後……半……?しかしじいさんというほどではないように思う
そもそもこの二人の関係性は一体……
何、悪さって……

どきどきしてきた。
そんな私や、語り掛けてくるオビト君のことなど素知らぬ顔で、当人はずんずんと歩み行く。


「それよりもどこにする。新しくできた駅中の献血ルームが、なかなか良いと聞くが」

「それ、私も聞きました。白くて清潔で、SF小説の宇宙ステーションのようにうつくしいと。オビト君の献血デビューにもふさわしいかと思います」

「よし」

「では、そのように」



そのをくれ


オビト君、もしかしてちょっと引いてない……?


―――――――――――――――――――――――――

献血ちゃ●、血液型によって個体が存在するのですよ。
知らなかったnな……

リクエスト、「ゆかいな現パロ」です。



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