忍者 あらあらMr...お大事に(マダラ) (※師弟設定) 修行中に師匠が倒れた。 組み手の最中だったので 「ついに私もこの人を倒せるほどの力が…!」 と柄にもなくガッツポーズなどをしてみたりもしたが、いつまでも立ち上がらない師に近づくと見たことがないほどに苦しげで、思わず吹いた。 * 「師匠も風邪をひいたりするのですね。鍛錬が足りぬのではありませんか」 「黙れ。それよりお前、バーゲンダッツいなり寿司味は買ってきたんだろうな」 倒れた師を家まで担ぎ、とりあえず市販の薬を飲ませると少しは楽になってきているように見えたので、 一応一声かけて買い物へ行ってきた。 そういえば家を出るときにそんなようなことを言っていたような、いないような。 「すみません忘れました。あ、私のシゲキックズ食べますか」 「仮にも俺は病人だぞ…病人に刺激物類いの菓子を与えるな…」 咳き込みながらぷんすかしている師を軽くあしらいながら出かける前に渡しておいた温度計を受け取り、買ってきた“冷えぴったん”を貼るように促す。 「あら、熱、上がりましたね。やはり市販のものでは駄目ですかね…変に薬に耐性があって本当にめんどくせーな」 「おい…心の声駄々漏れてるぞ…」 「いっけね」 「貴様…」 普段だったら半殺しにされてもおかしくはない口の効き方ができるのも、そんなことはできなかろうと解ってしまうほどにこの人がへばっているからだ。 そんな地を這うような声をだしても鼻水垂らした状態じゃあ全然怖かァないもんね! ヘッ、と鼻で笑いながら、買ってきたスポーツ飲料を吸収しやすくなるように水で薄め、氷枕を作り、濡れタオルを用意して寝床に近づいた。 熱で手元がおぼつかないのか渡した冷えぴったんのシートを剥がせずにいる師を見かねそれを奪い取り、タオルで額の汗を拭ってから貼り付けてやる。 枕を代え、背中に手を添えて横にさせていると、何故だか死んだ祖父の看護をしていた母を思い出してしまって目頭が熱くなった。 日頃飛んだり跳ねたりしているので忘れがちだが、師も結構なお年なのだ。 いつああなってもおかしくはない。 急に目頭を押さえて静かになった私を不審げにみて 「どうした」 と訊ねる師に 「マダラ師匠…長生きしてくださいね…」 と労るように応えたのだが、その言葉に絶句した師は熱が更に上がった。 あらあらMr. お大事に ----------------------- 20000リク りんさんへ [*←][→#] [戻る] |