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おまえに眩む(マダラ)
(※ノイジィ・ヘイズィ番外)

依頼人・千手柱間氏が、夏のシンポジウム参加だとのことで、一週間マダラを預かることとなった。
本人からの依頼であれば

『我が家はペットホテルではないのですが』
『そもそも休業中ですので』

などと小言の一つ二つ三つかますところであるが、それを見越して千手先生経由の依頼である。
ゆるせない。
二つ返事でOKだ。


「前回は雪が積もっていて気が付かなんだが、敷地内に水が流れているんだな」


車から降りてすぐにあたりを見回し、においを嗅いでいる横顔が異様に美形に見えるのは、夏毛に生え変わったため毛のボリュームが抑えられて普段隠れがちな顔がようく見えるからなのだろう。耳も尾も一回り小さくなっているように見える。
これで向かい風なんて吹いてしまったら、●ニクロのCM状態だ。
予測される男前係数の上昇、真夏だというのに震えてしまう。


『もう少し陽が傾いたら、散歩がてら水浴びでもしよう。まだ暑いからあまり外に居ないほうが良いよ』

「大丈夫だ。街に比べれば樹が多く、涼しい」

『だめです。わたしがだめです』

「……では仕方がないな…黒子は貧弱だからな…少しは強くなったようだが、あいもかわらず……お前、やはり俺が居なければ駄目なのではないか」


なんだか雲行き怪しい流れになってきたため、適当にあしらいながら冷房の効いた室内へ向かおうとしたのだが、


「おい、なんだ久々の逢瀬にその態度は。そもそも暑さに弱いというのに、そんな格好をしているのが悪いのではないか」


と呟きながらブラウスを剥ごうとしてくるとは想定外。

久々の刺激にクラッと一発KO。

も、つかの間、顔に身体に、水をかけられ意識は急浮上する。


『……は、』

「大丈夫か。まったく、仕様のないやつだ…」


目を覚ました私に気が付き、安心したように頬ずりをしてくるが、彼の手に持っているそれは私の着ていたブラウスだね?
震えながらマダラの肩を押して距離をとると、距離をとったことで彼もなぜか上半身裸であり、ボリュームが落ちたとはいえまだ長い黒髪から水を滴らせたイイオトコ状態であることを知ってしまう。

ウッ、

一方押しのけられている本人はというと、こちらが再び顔に熱を帯びてあわあわしている様を不思議そうに見つめ、髪を掻き上げたりなんぞしちゃって、

「まだ暑いか」

と足元の小川の水を首にかけてくれたり陽に反射した水が妙にきらめいて、ええい、蝉が、うるさい。





おまえに眩む








(紗赦さんへ)



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あきゅろす。
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