海賊
愛は成功へと通ずる(鳥啼歌番外)
甲板一面の銀世界。
私の腰くらいまで積もった雪は確かな重みをもって…
船に“圧”をかけていた。
「このままでは船が壊れる恐れがある」
という船大工の進言により、朝からクルー総出で雪かきをしている訳だが、三分もしないうちに甲板は(雪)合戦場と化した。
想定内すぎて何とも思わない。
まぁ、飛び交う雪玉はそのまま海へとフライアウェイなので甲板から雪はちゃんと減っている故、よしとする。
雪が減るのは良いけれど自分の体力が減るのよしとしない私は、甲板上にて定められたテリトリーの雪を早々に片付け、死角へと避難した。が、避難してから、その死角から船内へ戻るには戦場を横切らねばならないことに気付く。
致し方ないので、騒ぎが落ち着くまで待っていることにするが…暇なので雪だるまでも作ってみることにした。
周囲の雪を2つ簡単に重ね、足元な転がっていたワインのコルクやポケットに入っていたヘアピンで顔を作って完成…
しかし何となく物足りないので、顔は彫ることに。
特徴的なヒゲ、彫りは深めに、笑うと結構可愛い…
我らが船長の一丁上がりだ。
もうここまでやったら完璧に仕上げたくなるのが職人気質の国民性、手足も付けて、雪だるまというより小振りな雪像が完成した。
我ながらなかなか良い出来。
自分で巻いていたマフラーをそっとかけたところで甲板が静かになったことに気がついた。
チャンスだ。
風通しの良くなった首をすぼめながら船内へ戻った私は、後々戯れに作ったソレがモデル本人の目に止まり、晩酌を共にする権利を獲ることになろうとは知るよしもなかった………
愛は成功へと通ずる
「というサクセスストーリーです。それでは行ってきます。妬むなよ隊長殿方!」
「いいなあーーー!!」
「くそ!調子にのるんじゃねぇぞ黒子!」
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ナミュさんへ
年末年始リク
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