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海賊
飛んでけ恋文(エース)
(※学パロ設定です



私の名前は黒子、非常勤講師だ。

現在居る男子高校に赴任して半年…………この学校にはなかなか個性的な生徒が揃っており、エキサイティングな日々を送っている。

担当クラスの教室に入ろうとしたら黒板消しが落ちてくるのは当たり前、時々消火器も落ちてきたりする。
他にも遅刻した生徒がアクション映画宜しく窓から入ってきたり、職員室に戻ると自分の弁当が完食済みだったりなどということも、もはや日常茶飯事。
始めは戸惑ったがもう慣れた。
人というのは、訓練により場に適応したくましくなるのである。


今日も授業中、板書の最中背後から投げられた紙飛行機を手刀で撃墜し、そのまま持っていたチョークを“敵”へ投げ返してきた。
放たれたチョークは見事相手の眉間に当たり、敵は倒れ、授業は滞りなく進んだ。
問題は倒された敵、すなわち生徒がチャイムが鳴っても立ち上がらなかったことである。





「ごめんねポートガス、授業中に紙飛行機が飛んできたからついカッとなって…」

「…………。」



眉間、というか顔を手で覆ったまま動かないポートガスを周りの席の生徒に手伝って貰いながらなんとか保健室まで連れてきた。
彼はうつむいたままダンマリを決め込んでいる。

痛かったのだろうか。
馬鹿な、教育指導の先生からの逃走中に校舎の三階から飛んでも無傷な少年がチョークごときに負けるか。

そして気になるのは保健室から出て行く彼の悪友たちの、あの、私を責めるような目…!

そんなに私が悪いのか。


とりあえず、うつむいたままのポートガスの前髪に付いたチョークの粉を指先で取ってやると、びくりと一瞬身体をすくませた後、少しだけ肩の力を抜いた。

この気まずい状態を脱するタイミングは今とみた。

そっと顔を覗き込み、様子を伺いつつ声をかけようとすると、



ちゅっ



「――――――は、」

「お返し、ってことで」


覗き込んだ私の顔、というか頭をがっつり掴んで固定し、額に、額に、



…………このガキ。


我に返った時には保健室には奴は居らず、私の膝の上には事の発端の紙飛行機が乗っていた。
なんと無しにそれを広げてみると、






飛んでけ恋文

汚い字で書かれた愛の言葉








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20000リク
富ちゃんへ



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