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海賊
気をつけろ(学パロ)

「明けましておめでとうございます、そしてお誕生日おめでとう、ポートガス君」

「ん、明けましておめでとうございます、黒子。あと、ありがとう」

「でも大丈夫なの受験生?年越しカウントダウンに参加なんて調子ぶっこいていて大丈夫なの?」

「駄目です」



お手水を払いながら笑顔で答える彼は、それでも、慣れない勉強に疲弊した男子高校生らしく、言っては悪いが心なしかキタナらしい。

地元の神社に高校の同級生と来たは良いけれど、予想を超えた人数を前に、私たち小娘はなすすべもなく引き離されてしまったのである。
ああ無情…

………要ははぐれたのです。

年始のオメデトウメール混雑でメールも届かないため、致し方なく神楽を見ていたとき、現れたのが後輩のポートガス君であった。
どうやら彼も友人とはぐれたらしい。探すために神楽殿に登ろうとして大世話人に捕獲されたところを、身元受取人として名乗り出た。
変わらぬ姿を懐かしく思ったからだ。
変わらず、阿呆な真似をする。
本人も身元受取人も、共々凄く、怒られた。



「一緒に来た子たちもみんな受験でしょ…変なことをしてはならないよ…」



などと先輩風を吹かせると、なぜだか困ったように「うーん…」と呻いて前方を見やり、

ハッとした顔をした。

こちらもその方を見ると、おや、あの特徴的な髪型の後ろ姿は、ポートガス君の友人の…



「サッチ君だね」

「…あいつ、もう推薦で受かってんだ。顔会わすたびに

『オイッ!勉強頑張ってるか!?』

とか言ってきやがってさ…」



言うやいなや走り出し、

スパンッ

とサッチ君を殴り飛ばした。
驚き振り向いた彼は………







サッチ君ではなかった。



場が凍りつく。
どうするんだポートガス君。
距離を置いたまま見ていると、彼はテンパったのか、



「誰だてめえ!」



と叫んだ。
そりゃねえぜ。

あんなパンチが効いた髪型の人が、突然殴られ

「誰だてめえ!」

などと怒鳴られたとなれば、もう今後の展開は火をみるより明らかだ。
新年早々境内に血が流れるところなんて見たくない。
逃げるために踵を返したとき、間違われた彼らしき悲鳴のような声がした。



「すっ…スミマセンッ!!
二年の伊東です!!」



どうやら同校らしい。
リーゼントなのに随分と弱気である。なぜリーゼントにしたのだろう。
プルプル震える姿が本当にかわいそうだ。
かわいそう。
新年から何も悪くないのに、かわいそう。
そんな彼にポートガス君は



「…気をつけろ」


(「ポートガス君最悪…」「だって…」)









HAPPY Birthday ACE!
(2013/01/01)


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