海賊
肩に手を置き彼は言う(鳥啼歌番外)
何がどうしてこんなことに話題になったのか、今となってはもうよく解らないが
“私のいた世界に在って、こちらの世界に無いゲーム”
はなにか無いか、というような事を訊ねられた。
そんなことを急に言われても…アチラもコチラも大まかなことは変わらないのだ。
挙げるもの全てを「コッチにもある」やらぶつくさ言われ、挙げ句
「何だよつまらねぇな」
なんて言われたら………ムキになるのも、致し方ない訳でして。
ただしここで、勘違いの無いよう明言しておこう。
私は今、猛烈と言っても過言では無いほどに、後悔をしている。
ムキになって“野球拳”を挙げてしまったことを…
＊
「すげぇなソッチの世界…なんてエキサイティングなゲームだよ…」
「つーかお前もすげぇよ。脱衣ゲームを提案するなんて…海賊船に乗ってるからって、そこまで女捨てなくていいんだぜ？」
「そんなに俺の裸が見たかったのかよ？」
「ヒュウー!!」
提案した訳ではないし、サッチさんこの野郎女を捨てた覚えも無いし、エースさんは平生からほとんど半裸だし、ヒュウーって小学生か。でっかい子供め。
「ﾁｯ、誤解です。ついムキになってしまって、とっさに出てきたのがソレだっただけです」
「お前舌打ち…」
「いや、とっさにソレが出てきたってのがやべぇだろ…」
何か言い返してやらねばと思っただけなのに、一体どうしてこんな集中砲火？
もう何を言っても揚げ足をとられるだけのようなので、ここは退却するのが吉とみた。
勿論、捨て台詞も忘れずに。
「くそぅ、こんな小娘相手に大の男が雁首そろえて！男だらけでむさ苦しく野球拳やっていれば良いのです。ばーかばーか!!」
言うだけ言ってきびすを返しかけたところで、ぼすりと誰かにぶつかってしまった。
………少し離れたところで笑いながら見ていたマルコさんである。
Oh,もしかしたら
「そのへんにしておいてやれよい」
とか、そんな大人の対応で私を救いに来てくださったのやもしれない。流石マルコさん。一番隊隊長！
と、思っていた数分前の私を私は小一時間ほど問い詰めたい。
海賊なんてやっている輩はどいつもこいつも総じてでっかい子供なのだ。
肩に手を置き彼は言う
(「世の中には言い出しっぺの法則というものがあってだな」)
現在トリップ特典の一つである動体視力を最大限に利用して、じゃんけん56連勝中。
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宇井さんへ
年末年始ﾘｸ
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