詩
視界
眼に入りきらない程たくさんのモノが
眼に見えないくらいたくさんの風景が
眼に映らないくらいたくさんの人物が
そこいらにあるっていうのに
見えないのだ。
全てがそこにあるのに
触れてもどこか透けている。
「若者よ。おまえ、どこに目玉を落っことしてきたんだ?」
にわかに笑う老人も
どこか透けて見えるのだ。
眼に入りきらない程たくさんのモノが
眼に見えないくらいたくさんの風景が
眼に映らないくらいたくさんの人物が
そこいらにあるっていうのに
見えないのだ。
そうか。
見えないのは、消えそうなのは
俺なのか。
後進前進
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