ゲーム 2 「…遼、張遼!!」 愛しい人の声が聞こえて目を覚ます。 「あ、呂布殿…」 「どうした?泣いていたのか?」 そう聞かれて自分の頬を伝う涙の跡に気付く。 「夢を…見ていました」 「夢?」 「はい…。愛しい人の夢を…」 「その夢に俺は出てきたのか?」 ものすごい至近距離に少したじろぐ。 彼は私の答えを見抜いているかのように憎々しいほどの含み笑いをしている。 「え、あ、その…、出てきました…」 彼の耳に届くか届かないかくらいの小さな声でそう言った。 「なぁ、張遼。この戦が終わったら…、二人だけで遠乗りに出掛けるか」 彼がそう言う。 その顔はとても赤くて。 「はい。喜んで」 笑顔で答える。 [*前へ][次へ#] [戻る] |