ゲーム
1
「…親、鬼ごとをするぞ」
元就の突然の一言。
状況を把握しきれず、元親は唖然としている。
「は？何だって？」
「だから鬼ごとをするぞ、と言ったんだ。ボケたか？」
サラリと痛いことを言ってくる元就。
「あのよぉ、お前って変なことを唐突に言うよな」
「そうか？何だか無性にしたくなったのでな」
この時、元親は心の中で思った。
あぁ、本当にこの人は不思議ちゃんだ、と。
「で、付き合うからには何か見返りを期待してもいいワケ？」
元就を背後から抱き締め、やさしく囁いた。
「ふむ…。では、こういうのはどうだ？」
そう言って元就が提案する。
「逃げる我を捕まえることが出来たら、貴様の言うことを何でも一つだけ聞いてやろう」
「ふーん。何でも、だな？ぜってー捕まえてやる！約束破んなよ！」
「ふふん。やってみろ」
こうして、元親と元就の真剣勝負鬼ごっこは始まったのであった。
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